2004年1月

平成16年1月28日改定 平成16年1月27日(火)
第036号  「ある夜のマニフェスト」


先週の日曜日の夜、「おしゃれカンケイ」という古館伊知朗さん司会のトーク番組に川島なお美さんが出ていた。その日は「お取り寄せスペシャル」ということで、ゲストがそれぞれ自分の気に入っているものを紹介するという趣向だったのだが、川島さんが紹介したのは呼子・萬坊の「いかしゅうまい」だった。

川島さんがいかしゅうまいを紹介してくれるようになったにはわけがあった。

11月に佐賀新聞社が企画した「エンジン01(ゼロワン)」というイベントがあった。
日本を代表する文化人が佐賀に集まって、(しかもノーギャラ)わいがやと楽しく過ごすという企画。三枝成章さんや林真理子さんがやっているだけあって、とにかくおもしろかったのだが、そこに川島さんも来ていたのだ。たしか11月1日のことだったと思う。

夜の飲み会の会場に僕は合流した。30人ぐらいの参加者で店はけっこういい雰囲気。
川島さんはもちろんワインを傾けていて、ともかく盛り上がっていた。

と、ある参加者から「知事、川島さんは11月10日が誕生日なんです。何かプレゼントしてくださ〜い。」という声がかかってきた。

盛り上がっていた雰囲気ということもあって、僕も「もちろんOK、じゃあ、何がいいかなあ。」と応じた。ワインがいいんじゃないか、とかやはり佐賀のものがいいのでは、という話になり、どうせなら、歳の数だけ何か、というのはどうかという話まで出て、歳の数だけというのはちとやぼではあるけど、数のあるものがいいということになり、それではいかしゅうまいがいいのではないかということになった。

「歳の数だとすると30個くらい(笑)ということになるねえ。」を言う人がいて大笑い。ところが、それを聞いていたある人が「えっ 30箱も贈るの?」という勘違いした。僕はそれを聞いていて、これだ、と思った。「どうせなら、印象に残るような贈り方がいい、宣伝にもなる、よし、30箱だ。」と30個ではなく30箱、僕が贈ることにした。

「じゃあ、ここで約束してよ。」「そうだ、マニフェストだ。」という声に答えて、

「11月10日までに(期限)、自費で(財源)、いかしゅうまい30箱を(数値目標)川島なお美さんに贈ります(具体的実施内容)」というマニフェスト宣言をし、数日後、それを贈った。川島さんとしても迷惑半分だっただろうが、いただいたていねいなお礼状には、とてもおいしかったしみんなで分けました、と書いてあった。

今もなお、このいかしゅうまいは川島さんのHPで紹介されている。そして今回、おしゃれカンケイで取り上げてもらうことになったというわけだ。なんかうまくいったなって感じ。


また、先週の金曜日の「スーパーフライデー決定版!!全国10万人の温泉通が選んだ今すぐ行きたい・・・冬の湯宿」では、温泉宿全国ベストテンの中に、嬉野温泉の「ハミルトン宇礼志野」と武雄温泉の「懐石宿 扇屋」に二つが入っていた。

「ハミルトン宇礼志野」は行ったことがあるけど、「懐石宿 扇屋」はまだない。今度時間がとれたら行ってみよう。

いつのことかなあ。

それと、この原稿を書いていたら、一通のメールが飛び込んできた。

先日、川副町に行ったときに立ち寄った「いちげん」というラーメン店の主の方からだった。

「当店の「のりラーメン」が、2月3日の「めざましテレビ」で、紹介されることとなりました。他の数店舗と同時に、佐賀のラーメンを紹介する番組のようです。
当店では、広く国内に誇れる、 「有明海苔」を使ったラーメンを取り上げていただく予定で、微力ですが佐賀の良さをPRするつもりでいます。」

ということなので、どうかごらんください。

ふるかわ 拝

平成16年1月20日(火)
第035号  「ふるさときゃらばんが来る!」


ふるさときゃらばんが佐賀県に来る。3月16日(火)が唐津市民会館、翌17日(水)が佐賀市民会館、いずれも午後6時30分開演だ。

結論から言おう。ぜひ観にいってほしい。だまされたと思って。「パパの明日はわからない」というタイトルの2時間半のミュージカル。むずかしい話抜きに楽しいから。

ふるさときゃらばんというのは、劇団の名前だ。日本全国を回っている。地域を舞台にした「カントリーもの」と、都市のサラリーマンをテーマにした「サラリーマンもの」を演っていて、今回は、食品会社の社員を主人公にして、サラリーマン社会の今を描いている。

ふるさときゃらばんと僕との出会いは15年ほど前にさかのぼる。当時、僕は長野県にいた。あるとき「広告批評」という雑誌で「最近気になるコトバ」という記事が載り、その中にふるさときゃらばんのミュージカル「ザ・結婚」の中のせりふのことが書いてあった。農村の結婚問題を取り扱ったその作品の中で、ある農家が言った「生協のおばちゃんが来るから農薬かくせ」という言葉が取り上げられていたのだ。

僕は、瞬間的に「これはおもしろい」と思った。さっそく、104で本部を探し、電話をして、ぜひその作品を観て見たいと言った。残念ながらその作品はすでに演じられていなかったが、その代わりに村の選挙を扱った「ムラは、3・3・7拍子」という作品をやっているから、東京だけどよかったら見に来ないかといわれた。びっくりしたが、もちろん観にいった。感激した。まさにそのとおりだと思った。そして元気が出た。

それ以来、ずっとふるさときゃらばんとはつきあっている。

僕の出会ったころのふるさときゃらばんはもっぱら地方のことを描いていた。

商業演劇のほとんどは都会が舞台だ。地方のことが描かれるときは、いつも「昔」の「田舎」を「暗く」描かれるものばかりだった。要するに、「夕鶴」だった。
ふるさときゃらばんは違った。
「現在」の「地域」を「明るく」描くのだ。ここがしびれるくらい新鮮だった。

その後ふるさときゃらばんは、その扱う対象を地域だけでなく、サラリーマンにまで拡大したが、何を描かせてもうまい。それは一つの作品を作り上げるのに、手間ひまかけていろんなインタビューをし、思いを汲み取りながら作っているからだ。ある意味での「現場主義」なのだ。そして基本的に人間賛歌だから、終わった後ハッピーになるし元気が出る。

僕はふるさときゃらばん佐賀県応援団の団員でもある。

ぜひともみなさん、当日、一緒に行きましょう。

チケット(前売3500円)など詳しいことは古川 康 後援会事務所(0952-29-7635)まで。

これだけ気合を入れるのは「ロッカーのハナコさん」以来だな。

ふるかわ 拝

平成16年1月14日改定 平成16年1月13日(火)
第034号  「『佐賀県政府』または『SAGA』について」

新年の挨拶で、田中長野県知事が「長野県」という名前を「信州」に変えようという提案をしたというので今回はこのことについて。

「長野県」でも「佐賀県」でも同じなのだが、要するに「○○県」という言葉は、地域を表す言葉でもあり、また、行政体をあらわす言葉でもある。

「佐賀県って何が有名?」と聞かれる場合、それは地域としての佐賀県では何が有名なのかということであって、答えは有田焼だとか、吉野ヶ里というふうになる。一方で、「佐賀県では、来年度から電子入札を試行することとしました」という場合の「佐賀県」は、佐賀県庁のことだ。こんなふうに、地域を表す言葉と行政体を表す言葉が同じなのだ。

そもそも「国」という言葉だって、行政体のことも、地域のことも指している。たとえば、「国の責任」というと、日本国政府の責任を指すが、「国の人口」という場合は日本国政府の職員の数じゃなく、日本国という地域に住んでいる人の数を言う。

なぜそうなっているのかはわからない。江戸時代にさかのぼってみても、「藩」という言葉には、1万石以上の所領を持つ大名の「領地」と「その行政機構」の両方が含まれていたから、その時点ですでにそうなっていたということかもしれない。

行政体が先なのか、地域が先なのか、わからないが、ともかく、ごちゃごちゃしているのはよくないという考え方にたって、名前を分けたらどうだ、という話が出てきても不思議はない。

結論からいえば、地域を表す言葉を何といおうが、それは勝手で、法律には書いてない。だから、長野県の範囲の地域を「信州」と呼びたければ呼べばいいし、事実、長野県では、行政みずから「信州」という言葉をよく使う。「さわやか信州」もそうだし、「信州博覧会」もそうだった。地方自治法に書いてあるのは、地方公共団体としての、つまり行政体としての呼び名のことなのである。

行政体を表す言葉だとしたら、「県」といわず、「県庁」といえばいいじゃないか、という考え方もある。しかし、「県庁」という言葉は「県の仕事をする建物」のことで、仕事の中身を表す言葉ではない。だからちょっとムリがある。「市役所」も同じだ。(ただ、役場という概念はちょっと違ってて、役場事務という言葉が存在したりするのだが、それは省略)。

「県庁」という言い方がだめだとしたら、ほかに言い方はないのか。

ある。「政府」という呼び名である。佐賀県という行政体は、そのトップと議会議員が選挙で選ばれ、その執行経費は租税によってまかなわれているという意味で、住民に代わって住民の代表として行政を行う、れっきとした「政府」である。

だから、「佐賀県」という言葉のうち、行政体である佐賀県のことを言うには、「佐賀県政府」と言えばいいのだ。

これは、実は選挙に出るときに公約として出せないか、考えていた策のひとつだった。

いまから8年くらい前に上海に行ったとき、上海市役所の前を通ったら「上海市人民政府」と看板がかかっていた。それを見て、ああ、そうか、と思い、それ以来、ずっとこれをいつか使えないかと思ってきた。

「県政の内容を変えられるかどうかもわからないのに、名前だけ変えても仕方ない。」という意見で、この構想はボツになったのだが、「佐賀県政府」といったほうが、何か責任が重くなったように見えないかな。

沖縄には、復帰まで「琉球政府」があった。僕が沖縄に住んでいたのは復帰して10年経った後だったけれど、それでも、沖縄県庁前にある床屋さんの名前は「理容 政府前」だった。そのイメージもある。沖縄県は、いまでも「沖縄県政府」とでもしたほうが雰囲気は出ると思うがなあ。

実は、もう一つ検討していたことがある。名前のことでだ。

「佐賀県」を「さが」にしたらどうか、ということだった。なんでもいいから、佐賀が目立つように、ということで考えていたのだが、これはしなくてよかった。

いま、考えるんなら「SAGA」だろうけどね。

ふるかわ 拝

平成16年1月6日(火)
第033号  「ふたたび立命館大学の教壇へ」

去年の7月9日、僕は立命館大学の学生を相手に講義をしました。テーマは「知事という仕事」。これは立命館大学が読売新聞社と組んでやっている全国知事リレー講座の一環で、各県の知事が90分話をするというものです。僕は当選したばかりの時期という事実を逆手にとって、他の県知事が誰も話さなかったこと 『選挙の現場から』 の話をメインにしました。

そして、その日の帰りの新幹線の中で、「主として立命館大学の諸君へ」と題して、週刊yasushiの臨時増刊号を出し、その中で「いま終えてみて、ほっとした満足感と併せてあれも言えばよかった、これも言えばよかった という残念な思いもかなりあります。できれば補講をしたいと思っているくらいです。水口先生にはぜひ補講をさせてくれとお願いしました。終わった後何人かの学生が来てくれて、質問をしたり、いろいろ話しかけてくれました。本当にありがとう。そろそろ博多です。学生諸君、また会いましょう。」と書きました。

その願いがかないました。1月6日、つまり今日、もういちど立命館大学で講義をすることができるようになったのです。

前回は、選挙の話だけで、90分経ってしまいました。今回は、言い残した部分をきちんとお伝えします。
前回講義する前に学生が何を話してほしいと思っているのかを調べたアンケートの中にあった、佐賀空港、農産物のマーケティング、僕が経験したあちこちの県のこと、世界の国のこと、そういうことを含めてきちんとお話をしようと思います。(ちなみに学生諸君の佐賀県について知りたいことの三大テーマは、はなわ、サガン鳥栖、佐賀空港 でした。)

前回の講義を聴いた学生のアンケートを最近読みました。多くの学生諸君から、「選挙の話は新鮮だった」「マニフェストについてよくわかった」などという感想をいただきました。選挙の話の中では、「握手は片手ではだめで、両手でしなければならない」ということがいちばん印象深かったようでした。とても高い評価をいただいてうれしかったのとあわせて、よし、今回はもっと良くしよう、という気持ちになりました。

今回の講義のため、資料についてもまったく新しく作り直しました。

なんだかどきどきします。わくわくもしています。渾身の力を込めて、学生諸君に佐賀からのメッセージを伝えます。

ふるかわ 拝