2009年4月

平成21年4月28日(火)
第304号「新型インフルエンザ発生か!でも大丈夫 4/28 0:00」

豚インフルエンザがヒトでも発生した。今のところメキシコとアメリカとカナダでのことだ。
豚インフルエンザというのは豚がかかるインフルエンザのことで、鳥がかかるインフルエンザのことを鳥インフルエンザというのと同じ。
ただ、鳥―豚―ヒトというラインを考えると、豚は中間にいる動物だから鳥ともヒトともある意味近い。鳥とヒトとはずいぶん違うから、鳥がかかるインフルエンザのウィルスがそのままヒトにうつることはかんたんではない。ところが、豚は鳥インフルエンザのウィルスをもらうとわりと発病しやすいし、ヒトのインフルエンザウィルスによっても発病しやすい。
今回は、もともと鳥に由来するインフルエンザウィルスなのかどうかわからないが、鳥由来のインフルエンザウィルスによって豚がインフルエンザになり、それがヒトに感染しやすい形に変異してヒトにうつるようになった可能性はたしかにある。

ただ、一般的にはこのウィルスは弱毒性で、死亡に至ることは少ないとされている。現に豚がたくさん死んだという報告はない。だから、今回メキシコで約1,600人が感染してそのうち100人以上が亡くなったというのは驚くべき数字だ(現地時間4月26日21時現在)。
一方、アメリカで感染した人たちはいまのところ死亡した例はないということだから、メキシコの死亡例とされているすべてが本当に今回の豚インフルエンザによるものなのかどうか、もう少し分析が必要だとWHOでは考えているのではないかと思う。

その分析や感染の拡大の状況をみたうえで、今回の豚インフルエンザはいわゆる新型インフルエンザなのかどうか、WHOで判断されることになる。「ヒトからヒトにうつる新しいタイプの、いわば未知のインフルエンザはすべて新型インフルエンザではないか」という質問も寄せられているが、新型インフルエンザは「ヒトからヒトに容易に感染する」ということが特徴で、ただ、新しいタイプというだけではWHOの言う「新型インフルエンザ」ということにはならない。

ということでまずはWHOの調査結果を待つことになるが、新型インフルエンザという可能性も十分にあり、すでに佐賀県では4月25日(土)10時30分に情報連絡室を立ち上げ、直ちに調整会議を開催した。それ以降、24時間体制で情報収集しつつ今後の事態を予測しながら準備を進めている。佐賀県は前々から新型インフルエンザに対する準備については、専門家からも、全国的に最も進んだ体制を取っていると評価を受けてきている。
たとえば、新型インフルエンザに関する直近の海外情報にもっとも詳しいといわれている元小樽市保健所長の外岡立人氏は、昨年インドネシアで鳥インフルエンザのヒトへの集団発生が疑われたときの佐賀県の対応について、HPで「国内というよりも、アジアでもっとも迅速な対応をとっている地域といえる。全国の自治体、さらに国は見習うべきと思う」と評価していただいた。あわてずにしっかりと取り組んでいきたい。

県民のみなさんにはまず、何か不安なことがあったら0120-82−1025にお電話ください、と申し上げたい。
これは新型インフルエンザ発生時の相談センター(発熱相談センター)の県内共通の無料電話番号だが、すでに今回運用をスタートさせている。
何か不安なことや心配ごとがあれば、ここに相談してみてほしい。県内共通の番号を持っているのは全国でも佐賀県だけ。しかもフリーダイヤルだからどうかご心配なく。

ここ数日のうちに新しい動きが出てくる。WHOが今回の事案を新型インフルエンザと認定するのか、そうでないと判断するのか、それによって変わってくるが、どちらになったとしても、うがい、マスク、手洗いというインフルエンザ対策の三本柱はどんなインフルエンザに対しても有効な予防手段だ。このコラムでも新型インフルエンザのことについて取り上げてきたし、
http://www.power-full.com/syukanyasushi/syukan2009-2.html)
去年の10月から11月にかけての定例記者会見では必ずといっていいほどインフルエンザ対策について発表している。
http://www.saga-chiji.jp/kaiken/

佐賀県の新型インフルエンザ対策のサイトはここ。http://www.pref.saga.lg.jp/web/_25837.html
これから毎日チェックしておいていただきたい。状況は毎日変わると思うが、このために僕たちは準備をしてきている。どうか安心してほしい。そして、家庭で、職場で、自分たちでできる予防や備えに取り組んでほしい。


ふるかわ 拝

平成21年4月21日(火)
第303号「鷹島肥前大橋の開通式」

先週の土曜日は「鷹島肥前大橋」の開通式だった。 鷹島は長崎県松浦市にある島だが、対岸は佐賀県唐津市肥前町。離島である鷹島の人たちにとって、架橋で本土とつながることは数十年にわたるまさに悲願だった。
 
およそ橋の開通式というものは初めてだったのでどういうものなのか興味があったが、これだけ盛り上がるものか、とびっくりした。ひとつには地元の方、とりわけ鷹島の方の盛り上がり、もうひとつは橋好きというかイチバン好きというか、開通を待ち焦がれる本土側の人たちの多さ、だった。
こういう方々は朝早く、というか前夜から一番乗りを目指して橋のたもとに車を置いて待っておられた。多くは県外ナンバーの車。福岡も多いが広島や岡山もある。開通日に橋を渡ることをいわば趣味のようにしている人たちがけっこういらっしゃるのだった。それに応えるかのように、午後2時を予定していた橋の開通は午後1時過ぎに繰り上げられた。

開通式の前夜、僕はまったく別件で、唐津市に隣接する伊万里市で地域の人たちからいろんな話を聞かせてもらっていたが、そこにいた印刷会社の経営者の方が「鷹島に橋がかかることになるのでよかったです」といわれたのにはびっくりした。伊万里市の端から鷹島肥前大橋までは10キロくらいの距離だが、直接関係があるとは思えなかったのだ。聞けばその印刷会社は鷹島のお客さんから印刷の仕事をいただいたのだという。
「といってもね、まあ赤字みたいなもんでした。」と経営者の方は語る。「仕事ですから、ご挨拶、打ち合わせ、色校って何回か現地に行くじゃないですか。私は車で行くんですが、1回鷹島に渡るのに2000円近くかかるんです。往復で4000円。それが3回、4回とあったんじゃ大変なんですから。それが明日からなくなるわけですからね。鷹島のお客さんのところにも挨拶に行ってきます。無料の橋を通ってね。」うれしそうに笑った。
たしかに車をフェリーに乗せるとけっこうな値段がかかる。だから、これまでは本土側のフェリー発着場には鷹島の人たちの車が置いてあった。その光景もなくなることになる。

また、「これで安心して子供を学校にやれます」という声も聞いた。これまでは島の中学を出ると、高校へはフェリーで通うか下宿して通わなければならなかったという。
それが、橋が開通してバス路線ができ、唐津市内までバスを走らせてくれることになった。これからは子供たちや親の負担も軽くなり、安心して通学させることができる、というのだ。

話を聞いていて、僕が沖縄に暮らしていたころ、粟国島(あぐにじま)に行ったときのことを思い出した。台風だったと思うが、船も飛行機も欠航となり、島から出ることができなくなった。そして何日か経ってやっと晴れの日になった。何日かぶりの運航再開で僕らは定期便に乗ることができず、島の人たちと飛行機(といってもセスナだったが)を共同でチャーターしてそれに乗って帰ることになり、村長室にご挨拶に行った。村長は逆に那覇で足止めになっておられたので助役さんと話をしたのだが、助役さんが港の方角を眺めながら「ああ、船が入ってきた。これで生ものが食べられる」とつぶやかれたのがなんともいえず心に残った。
鷹島の人たちにもきっと同じようなご苦労がいろいろあったと思う。
社会資本整備がもたらす日々の生活への恵沢。久々にいい笑顔に出会うことができた一日だった。


ふるかわ 拝

平成21年4月14日(火)
第302号「安曇野への旅」

先週末、講演を頼まれて長野県・安曇野市に久しぶりに行った。1泊2日の旅だったが長野県と佐賀県のいろんな関係についてあらためて気づくところがあった。

講演の前夜は松本のレストランで会食した。和洋折衷のいまどきのレストランだったが、地産地消をメインにしていて地元産の豚肉や野菜を使ったものが多かったし、また、お酒のメニューもなかなかだった。というのもこのお店はワインに力を入れていて、そのほとんどが長野県原産地呼称制度の認定ワインだったのだ。
そもそも原産地呼称制度というのは、一定の地域でとれた原料で造られたお酒(やワイン)を第三者機関が認定したもの。フランスやドイツの制度が有名だが、日本では長野県が第一号で佐賀県が第二号なのだ。長野県はワインが中心だが佐賀県は日本酒や焼酎が中心。ただ、普及の具合は長野県のほうに一日の長があると思っていたがあらためてそれを感じた。

うれしかったのはそのお店のお酒のメニューの焼酎のところに佐賀県の麦焼酎「うまかろ陶山」があったことだ。「佐賀県原産地呼称制度管理委員会認定」という統一マークが表示されていなかったのが残念だったが、信州のレストランにこの焼酎がラインナップされていることはうれしいではないか。
聞いた話だと、この「うまかろ陶山」は密かな人気焼酎で、東京ディズニーシーにある日本料理店「レストラン櫻」でも焼酎の定番に入っているとのこと。知りませんでした。
そういう話をしながら松本の夜は更けていった。

その夜はホテルブエナビスタというシティホテルに泊まった。翌朝、ホテルで朝食を食べようとしてひとつ発見があった。最近のホテルの朝食はビュッフェ形式で好きなものを取るというパターンが多い(このホテルもそうだった)が、そこには必ずサラダコーナーがあり、ほとんどの場合そこにプチトマトが皿に盛られている。問題はそこだ。プチトマトにはもともとヘタがついている。そのヘタが皿に盛られるときにきちんとはずされているかいないか。
経営コンサルタントの小宮一慶氏は、いいホテルかそうでないかを見極めるひとつのポイントがそこだ、とおっしゃっている。
東京の有名ホテルでも、その観点からいえば「落第」ということがけっこうある。その点、このブエナビスタは「合格」だった。ヘタがきれいにはずされていた。

朝食で気持ちよくなった後、講演前に「安曇野ちひろ美術館」に出かけた。童画家として有名な「いわさきちひろ」は戦争中に松本に疎開したこともあってその後も信州と縁があり、いまから10年前、東京に続いて安曇野に美術館がオープンした。それを観ようということだったが、幸いなことにそこで「いわさきちひろ」のご子息である松本猛館長に直接お話をうかがうことができた。
ここでも佐賀県とのかかわりがあった。実は「いわさきちひろ」が14才のとき最初に絵を学んだのが岡田三郎助だったという。岡田三郎助は明治から昭和にかけて活躍した洋画家で、鍋島藩の名家に生まれた佐賀県出身だ。「いわさきちひろ」は初期とそれ以降でずいぶん画風がちがう。たしかに最初の頃の雰囲気は岡田三郎助の影響が感じられるものもあった。
さらにその「安曇野ちひろ美術館」の広報担当のスタッフも佐賀県出身の方だった。
「岡田三郎助といわさきちひろ展」なんてやってみたらおもしろいのではないか。安曇野の春の風景とまだ冬の残る北アルプスを美術館のテラスから眺めながら、そんなことも考えていた。


ふるかわ 拝

平成21年4月7日(火)
第301号「佐賀県人事委員会の熱血サイト!!」

最近、佐賀県人事委員会のウェブサイトが人気らしい。月曜日にも友人から「あのサイト見たよ!」というメールが来た。そのサイトはこれ。

http://www.pref.saga.lg.jp/at-contents/kenseijoho/s_shiken/jinjii/

県庁職員や県警察官などの採用試験を行っている組織が「佐賀県人事委員会」で、その採用試験情報が載っているサイトというわけだ。

「県庁職員の採用試験って知事がするんじゃないの?」
それが違う。県庁職員の採用試験は知事の権限ではなく佐賀県人事委員会が採用試験をして合格者を決めることになっている。ただ、どういう職員を採用したいのか、どういう試験をしてほしいのか、など意見を言うことはできる。

と話を人事委員会に戻すが、要するに人事委員会もお役所だから、人事委員会のサイトというのはどの都道府県のものもかしこまって作られているケースが多い。というかほとんどだ。
ところが佐賀県人事委員会のサイトはクリックしてもらうだけでびっくりするのだが、劇画チックでいわば「巨人の星」のオフィシャルサイトのような感じなのだ。
いきなり「汗と涙と熱血魂!! 佐賀県職員大募集!!」と書いてある。びっくりしないようになのか、その上に小さく「佐賀県の公式ページです!あしからず!」とあるのはご愛嬌。

そういう雰囲気のサイトになっている。

僕のところに来るメールの多くは、「知事がこれやったんでしょ。おもしろいですね」的なもの。ところが実はこれは僕が提案したのではなくて、佐賀県人事委員会が数ある提案の中から選んでこれに決めたというシロモノだ。僕が決めたというわけではない。ただ少々不安だったのか、決めた後に「これに決めましたのでびっくりしないでください」と言いに来られた。もちろん僕も大賛成だったが。ともあれ話題になっていて何よりだ。

そこに僕のメッセージも載せてある。
たとえば、こういうふうに。

こんなあなたを待っています。
「ペーパーテストよりも面接の方が自分がわかってもらえるんじゃないか」と思っているあなたのことです。
 ペーパーテストができることはそれなりには大事ですが、これは「時間内に何も見ずにどこかに書いてある何かを答案用紙に書き写した」ということにすぎません。実社会では、時間の制限はありますが、本を見たりネットで調べることが許されます。人に聞いてもいいのです。
むしろ、誰に聞けばわかるかを知っている、そしてその人に聞くことができる、というほうが大事だったりします。ペーパーテストで出されているような簡単に答えの出るような事柄についてはいまやコンピュータが答えを出してくれます。
  あなたに求めるのは「人にしかできないことをきっちりこなすことができる」というチカラです。そんなあなたを待っています。


これは僕が大学のボート部に入るときの勧誘パンフレットにあった言葉をヒントにしたものだが、まったくそのとおりだと思う。

工夫をしているのはサイトのデザインだけではない。採用そのものもユニークで、たとえば大学を卒業したぐらいの年齢の人を対象にした「行政特別枠」というのがある。
だいたい公務員試験はペーパーテストがメインでサブで面接というパターンが多いが、去年からペーパーテストより面接重視の「行政特別枠」という採用スタイルをスタートさせた。しかも採用試験の時期を早めて4月(受付期間は2月中)にした。

一般的な大卒程度の公務員の採用試験の時期は6月なのだが、その時期だと民間企業の採用活動はだいたい終わりかけている。つまり、この時期、公務員を受ける人は、「民間」ではない「公務員」という職種そのものを希望している人たちが多く、「公務員であれば○○でも県庁でも○○でもいい」という人もなかにはいる。それがだめとはいわないが、そういう人たちしか受けないというのではやはり問題ではないか。
民間企業も希望しているような人たちの中からも、ともに働く仲間たちを採りたい。それを実現するために採用試験の時期を早めた。ペーパーテストではなく面接重視にした。おかげでたとえば平成22年4月採用予定の行政特別枠には、5人募集のところ580人の応募があった。これで合格しなくても一般枠の採用試験を受験してもらってもいいので、これに不合格になったからといってすべて終わるというわけではない。

もちろん、学校を出てすぐに県庁に入る必要もない。ある程度社会人の経験を積んでから県庁に入るという手もある。それが「U・Iターン型 民間企業経験者採用」でこれも数は多くないが毎年募集している。

今年来年は民間企業が採用を手控えることになる。学生にとっては大変だろうが、採用する側から見ればいい人材が採れる絶好の時期でもある。
いまならではのいろんな挑戦をしてみたい。


ふるかわ 拝