2011年1月

平成23年1月25日(火)
第395号「タカラジェンヌにはじめて会った日」


1月23日(日曜日)、宝塚に出かけた。佐賀県出身の宝塚歌劇団の二人、夢乃聖夏(ゆめの せいか)さんと朝夏まなと(あさか まなと)さんに、九州新幹線新鳥栖駅開業の広報大使「さがさくらジェンヌ」になっていただく、その委嘱式のためだ。
今年の3月12日(土曜日)、九州新幹線鹿児島ルートが開通し、佐賀県内では新鳥栖駅が開業する。新しく山陽新幹線と直通する「さくら」が走り、これによって佐賀県と関西が直通で結ばれることになる。
そんな中、佐賀と関西を結ぶものは何かと考え、県職員がタカラヅカはどうか、とアイデアを出し、それがこうしたかたちになって実現したものだった。
もともと数年前、僕のところにタカラヅカの雑誌というか、タカラヅカの生徒さん(「生徒」というのはタカラジェンヌのこと)のプロフィールを一覧にしてある書籍を送ってくれた方があった。「佐賀県出身の人たちもがんばっています。応援してください。」と添え書きがしてあった。それが僕の頭の中に残っていたということもあったし、最近、知人から「佐賀県出身のタカラヅカの生徒さん、すごいんだよ」という話を聞いたということもあったが、とにもかくにもこういうことが実現できてとても晴々しい。

さて、委嘱式の会場は宝塚大劇場ではなく(当たり前か)宝塚歌劇団制作部が入っているビルの応接室だった。この応接室でこの二人にはじめてお会いした。お二人ともすらりとしたパンツスーツ姿。親しみがありながらも悠揚として迫らない堂々とした雰囲気。さすが、というしかない。まずは笑顔もすてきなお二人に委嘱記念品をお渡しした。
この記念品にはこだわった。委嘱状というと普通なら紙一枚ですますものだが、なんせ「さがさくらジェンヌ」だ、一工夫しないことにはということで、上品なさくらの絵柄の有田焼の皿にフランス語でMissionnaire(ミシヨネール:伝道師の意)の文字をのせた。書いてくれた職人さんも、ふだんは日本語だろうからずいぶん練習なさったんではなかろうか。
ついでに僕もこだわって、この日はネクタイとチーフをさくら色にしてみた。
次に二人からそれぞれコメントをいただいた。それまで普通の声のトーンで話していた二人が、カメラに対して顔を向けコメントを発するときになるとがらりと雰囲気が変わり、劇場で耳にする力強い通りのいい声になられた。さすがプロとうなった。
このときの様子はYouTubeにもアップしている。
http://www.youtube.com/watch?v=AkCze6wm_rs

式の後、ほんの少しだけ懇談した。
夢乃聖夏さんは星組、多久市の出身。多久聖廟から一字を取って「聖夏」にしたといううれしいお話をいただいた。朝夏まなとさんは花組で佐賀市の出身。僕の中学校の後輩に当たるとにこにこしながら話をしてくれる。
あまりプライベイトなことをつっこむといけないといささか緊張してしまったうえ、この宝塚の用務が終わったら直ちに広島に移動して都道府県対抗男子駅伝の応援をしなければ、ということもあって、そそくさとその場を立ち去らなければならなかったのが残念だった。
このお二人にはこれから「さがさくらジェンヌ」として新鳥栖駅開業に関してのさまざまな媒体に出演いただくことになる。そしていつか、ぜひ「さくら」に乗って、お二人の姿を観に、宝塚大劇場に足を運びたいと心から思った。


ふるかわ拝

平成23年1月18日(火)
第394号「ちょっと時代遅れだけどグーグルについて最近知った話」


グーグルというのは大変親切な検索エンジンで、こちらが知りたいと思っているいろんなことを先回りして教えてくれる。
たとえば検索窓に「犬」と入力してスペースを一つ入れると、検索窓の下にずらりと探している事柄の候補が表示される。(上に表示されているものほど使用頻度が高い。)たとえば、「犬」の場合は「犬 種類」や「犬 里親」というのが上位にでてくる。「猫」についても同じだ。
つまり「犬」「猫」というキーワードで検索しようとしている人は、犬や猫の種類や里親について知りたがっている人が多いということを教えてくれる。
そういう「種類」や「里親」にあたる言葉のことを「関連検索ワード」と名付けようその関連検索ワードに関して、数年前にこういう話が話題になっていたというのを最近知った。
グーグルの検索エンジンを使って、「夫」と入力し、スペースを一つ空けてみる。そうするとどういう関連検索ワードが上位に来るか、というものだ。
この話、ご存じの人は10行飛ばしてください。

知らない人のために言うと、今、一位に来るのが、「夫 嫌い」。
二位を飛ばして、三位が「夫 小遣い」、その次が「夫 死んでほしい」。
なんと、と思うがそれが現実だったらしい。
では「妻」と入力したらどうなるか。一番上に出てくるのは「妻 プレゼント」、次が「妻 クリスマスプレゼント」、次が「妻 誕生日プレゼント」。
嗚呼、世の男性陣はせっせとプレゼントに心をやつしているのに。。。
ネットというのは無駄に正直だと思う。

それともうひとつの話。これも有名なことなのかもしれないが、たとえば「夫(スペース)」では二位に来る関連検索ワードがある。しかも、そのワードは「叔父(スペース)」でもけっこう上位に来るのだ。「姪(スペース」)「曽祖父(スペース)」に至っては、いちばん上にそのワードが出てくる。別に家族関係の言葉だけに上位に出てくるわけではない。
この答えをご存じの人、一行下に答えが書いてあるのであきらめてつきあってください。

答えは、「英語」。
「夫 英語」や「姪 英語」は「夫を英語で何と言うか?」とグーグルが和英辞典がわりに使われているのだった。
僕はわからなかったけど職場の人がそうではないか、と教えてくれた。確かにそうだろうと思う。

ネットの世界って宇宙の膨張みたいにスピードが加速していっているように思う。ちょと油断するとすぐに時代から遅れていくような気がする。自分が遅れるのはしかたないにしても、地域や日本が遅れるのは困る。がんばらんば!


ふるかわ 拝

平成23年1月11日(火)
第393号「すてきなハウスハズバンド」


いきなりで恐縮だが「しゅふ」と入力して漢字変換をしてみてほしい。第一候補は多くの人の場合「主婦」だろう。では第二候補は?これまた多くの人の場合「主夫」になっていると思う。「主夫」という言葉が普通に出てくる。
 
手元の広辞苑を開いてみる。第二版補訂版(1976年)には「主夫」はない。
(「主父」という言葉はある。これは一家の亭主のこと。)ただし、第四版(1991年)になると「主婦」「主父」「主夫」の三つが並んでいる。(「主父」っていう言葉、ほんとに使うんだろか、いまどき。)
 
何が言いたいのかというと、これだけ「主夫」という言葉が一般化したのだなということだ。
 
その「主夫」という肩書きをお持ちの日高邦博さんというお方と、先日、男女共同参画についてのシンポジウムでご一緒することができた。もともとは新潟県のご出身で現在は福岡県在住。連れ合いさんが日本を代表する競艇選手のお一人でお子さんが二人。その子育てのため、邦博さんが会社を辞め、主夫生活に入られたというお話をされたのだがこの話がたまらなくおもしろい。
 そしてただおもしろいだけではなくて、そこに男女共同参画のヒントがたくさん隠れていた。内容を言いたい気もするが、あれだけおもしろい話をあんまり勝手に引用してしまうのは気が引ける。ご興味ある方は日高邦博さんのブログや本をみていただければと思う。ありがたいことに先日のシンポジウムのことについても触れていただいている。
http://ameblo.jp/hidakakunihiro/

ひとつだけ紹介すれば日高邦博さんは会社を辞めるとき、理由書に「出産・育児のため」と書いたらしい。なんか痛快だ。
 
かつて橋本聖子参議院議員が出産のため国会に欠席届けを出そうとしたときのこと。国会議員が国会を欠席するというのはよほどの用事でないとだめらしく、当然許される理由は限定されていて選択肢の中から選ぶ必要があったのだが、「出産のため」という選択肢がなかった。結局いちばん近いと思って〇を付けたのが「不慮の事故」という項目だった、という話をそのシンポジウムでのコーディネータの大草さんが言っておられた。でも、それがきっかけで参院規則が改正されて欠席理由に「出産」が加わったという。
 
男女共同参画社会の実現はまだまだだけど、でもすこしづついろんなことが変わっていっているようだ。
 
男女共同参画というのはひとりひとりの持っている力を発揮できる社会を作ろうということであって、障碍のある人や高齢者に関しても同じ、ということになるのだと思う。そして県庁が先駆けて実現していきたいとも思う。
 
週末に県内のある地区の新年会に参加したときのこと。そこに先日のシンポジウムに参加されていていた女性の方がいらっしゃっていた。そして僕にこう言われた。「知事さん、県民だよりの新年のごあいさつの中で「県庁がラビット役を務める」って書いてありましたよね。先日のシンポジウムのときに、そのラビット役の意味を詳しく解説していただいたおかげで意味がよくわかるようになりました。」県民だよりのあいさつやシンポジウムにおける発言をこれだけきちんと見て、聞いていただいているのか、と思うと頭が下がった。これからもこうしたメッセージの発信、丁寧にしていきたいと心から思う。


ふるかわ 拝

平成23年1月4日(火)
第392号「開く」


平成23年(2011)年の幕開けです。
今年は、「開く」という言葉がキーワードだと思っています。
諫早湾干拓の開門方法もいよいよ本格的な検討がスタートします。このことについては、何度もこのコラムでも述べていますが、誰かだけが喜ぶような開門ではなく、農業も防災も共存できるような開門方法を検討し、実行すべき、と申し上げてきています。「そんなことできない」という声があるのも事実ですが、まず検討をしてみませんか?
技術的に可能か、とか予算的にいくらかかるのか、ということについても、かつて農水省で試算したときとは前提がいろいろ変ってきていると思います。検討を進めていくうちに知恵が生まれてくるのでは、と期待しています。

もう一つの「開く」は、TPPという新しい国の開き方についてです。このTPPは、参加不参加どっちにころんでも厳しい判断が迫られます。TPPに参加しなければ農業が守られるという観点ではプラスになるわけですが、一方で輸出産業である製造業はTPP締結国に比べて不利な地位に置かれることになり、その観点からはマイナスになります。
では開国すれば(=TPPに参加すれば)どうかというと、プラスとマイナスが正反対のことになるだろうと思われます。それと消費者の問題もあります。関税がなくなり外国からの安い農産物が入ってくることは消費者の観点からはプラスですが、国産の農産物がその分売れなくなることは農業関連産業の人たちの所得を下げることにつながるでしょう。国土保全の観点からの議論もあると思います。
と、一筋縄ではなかなかいかない問題です。そもそもこうしたことを議論するために必要なデータが政府から示されていない、というのが問題をあいまいにしながら観念的な議論にしてしまっているのではないかと思います。

今年の「開く」。私は「新しい時代の扉を開く」ということも加えたいと思います。
国際関係を抜きにして我が国経済を考える時代ではない、ということは前々から申し上げてきましたが、いよいよ佐賀県でも今年は海外への本格的な雄飛の年にしていきます。海外拠点をできるだけ早く設置したいと思います。いま場所を選んでいるところですが、いろんなところでいろんなビジネスの可能性があるということを実感しています。中国の自治体政府からの熱心な誘致もあります。これについてはできるだけ早く公表できるようにしたいと思っています。
戦後長らく、地域の中だけでビジネスを考えていればいい時代が続きました。
地域自体が成長・拡大していたからです。残念ながらその時代が終わりました。服を売っている小売店は、かつては同じ商店街の中に軒を並べる別ブランドの小売店がライバルでしたが、いまやほかの地域の百貨店やネット通販のショップ、オークションがライバルになってきています。
そういう時代です。今年こそは、多少ごつごつしても、新しいことに挑戦してみませんか。

時代を、地域を、開いていくことが未来を拓くことにもつながる。私はそう信じています。

今年がみなさんにとって、佐賀県にとって、日本にとって、そして世界にとって平和で成長につながるものとなりますよう。


ふるかわ 拝