2011年9月

平成23年9月27日(火)
第428号「スペシャルオリンピックス日本への出場報告で思ったこと」

今週の月曜日、「スペシャルオリンピックス日本 2011年第1回全国バスケットボール大会」に参加した佐賀県チームの人たちが成績報告に来られた。スペシャルオリンピックスは、知的発達障碍を持つ人たちが参加する競技会とそれを運営する組織のこと。この活動に参加する知的発達障碍を持つ人たちのことをアスリートと呼んでいる。

大会の結果は残念なことに4戦全敗だったらしいが、そもそも47都道府県のうち出場したのは20都府県とのことで、九州で参加したのは佐賀のほかは福岡と沖縄だけ。それを思えば参加したことに大いに意味があると思う。「来年こそは1勝を」と、この大会に参加したアスリートたちはそれぞれに力をこめて語ってくれた。

スポーツは、オリンピックに代表されるようにいわゆる健常者が行うものもあれば、パラリンピックに代表されるように身体的な障碍を持つ人が行うものもあり、さらには、スペシャルオリンピックスに代表されるように、知的発達障碍を持つ人が行うものもある。
かつては、パラリンピックなど身体的な障碍を持つ人はスポーツ参加にあたっては、ハンディキャップを負っているとされ、それにもかかわらず参加をする姿が、ある意味での美しさととらえられた時代もあった。
ただ、今回の韓国・テグでの世界陸上のとき、南アフリカの陸上選手が義足をつけて男子400メートルに参加し、準決勝まで進んだが、これに対し、一部から「義足をつけたことによってスピードが速くなったのではないか」という指摘があった。そういう補装具をつけることが、ハンディキャップでなくアドバンテージとみられる時代になりつつあるのかもしれないと思った。

ところで、今回の大会のパンフレットを見ていたら、東京都のスポーツ振興局長が大会に祝辞を寄せていた。東京都は、2010(平成22)年からスポーツ振興局を設け、そこでは障碍者スポーツを含むスポーツを所管している。
佐賀県は現在策定中の総合計画において、これまで以上にスポーツ振興に取り組むことにしているが、その推進体制をどうするか、ということもこれからの課題の一つとしてあげられると思う。
現在、スポーツは学校スポーツ・生涯スポーツ・競技スポーツについて教育委員会の体育保健課で所管していただいていてここがメインになっているが、サガン鳥栖のようなプロスポーツ、障碍を持つ人たちが主体となるスポーツ、介護予防など健康増進的な面の強いスポーツなど、県民からみてもスポーツはさまざまなかたちで存在している。

そう考えたとき、こういう広い意味でのスポーツ振興をどういう形で行っていくか、ということはあらためて考えてみる時期に来ているのかもしれない、と思う。

国においても、それまでのスポーツ振興法が全面的に改正され、今年の8月からスポーツ基本法が施行された、これから「スポーツ庁」(仮称)を新設しようという動きも出てきている。
役所を大きくしたからといって、すぐにスポーツが強くなるものではないかもしれないが、国として、行政として、この分野に力を入れて行く、という明確なメッセージにはなると思う。
その際には、ぜひ現在の文部科学省が所管しているスポーツだけでなく、これまで言ってきているような、厚生労働省所管の分野も含めた、幅広いスポーツを意識して、所管に取り入れてほしいと願う。


ふるかわ 拝

平成23年9月20日(火)
第427号「らじる★らじる スタート」

僕は、ずいぶん昔からNHKラジオの語学番組のリスナーだ。
小学校6年生のとき、同級生が始めていたのに刺激されて「基礎英語」の5月号を買って以来、断続的に、ではあるがいろんな番組を聴いてきた。

当時、講師だったのは北村宗彬先生。途中ではじめたこともあって、最初のころはちんぷんかんぷんだし、発音もよくわからない。思い余って往復はがきでその悩みを書いたこともあった。「自分は5月号から始めたので発音があまりうまくない。どういう勉強をしたらいいか」という内容だったと思う。今から考えれば恥ずかしい質問だが、なんせ小学生だから仕方ない。そしたら、なんと先生から返事が来た。いまでも内容は覚えている。「歌がうまくなるためにはどうしたらいいでしょう、同じことです!」とあった。
要するに、ひたすら練習を重ねていくしかない、ということだったと思う。それ以来、語学をラジオで学ぶことは続けてきている。

ところが、ひとつ問題があった。佐賀県に帰ってきてみるとこうした語学番組を放送しているNHKラジオ第二放送が聴き取りにくいのだ。朝はともかく夜になると電波が混信しているのか、より聴き取りにくい。 僕は山間部の温泉に泊まるときもテキストとラジオを持っていくのだがほぼ聴けないと言っていい。
NHKラジオの第一のほうは県内どこに行ってもきれいに聴き取れるのに、なぜ第二はだめなのか。
それは、第一放送にあって第二放送にないものはなにか、というところに答えがある。
答えは「ローカルニュース」。第一はニュースの中でローカルニュースが流される。ところが第二はローカル番組がない。
そのため、第一は、佐賀放送局の電波を県内くまなく届ける必要があるが、第二はほかの県のNHKの電波であっても困ることがない。
だから、僕は自宅で熊本第二の電波を受信しているし、佐賀県内の各地域では、福岡第二、長崎第二、佐世保第二の電波を受信している。
逆にいえば、だから聞こえが悪い。NHKの語学テキストには、地域別のNHKラジオ第2放送周波数が示してあるが、それには「佐賀県」という欄はない。「熊本県・九州地域の一部」、「福岡県・九州地域の一部」として表記されていて、佐賀県はそこに含まれるということになるようだ。このように、ひとつの県の名前が入っていないのは、東京周辺と大阪周辺しかなく、どうも不服で仕方ないのだが、とにかくそういう状態だった。
佐賀市のど真ん中に住んでいる僕ですら、受信状態が悪いと感じているくらいだから推して知るべしで、県内あちこちにお住まいの方から、僕が第二放送のリスナーであることを知って、「自分のところも聞こえが悪い」という話をよく聞くようになっていた。
NHKには何度か受信状態の改善について話をしたこともあったがはかばかしい返事はなく、なんとかならないものかと思って久しい状態が続いていた。

そのことについて、最近朗報がもたらされた、9月1日から「らじる★らじる」というインターネットサービスがスタートし、NHK第一、第二、FMがインターネットでラジオと同時放送されるようになったのだ。これで、インターネットを使える環境にあればラジオ放送を同時に受信できるようになったということだ。実際に使ってみると、きわめて快適。音もいい。これまでも一週間遅れでインターネット上で番組の一部は配信されていたのだが、番組はやはり決まった時刻に聴いたほうがいい。この「らじる★らじる」は画期的なサービスだ。
いまはまだスマートフォンで聴けないが、来月からはそれもスタートするという。
やがてはこうしてインターネット上での放送サービスが普及していくことになるのだろうと思う。

すでに一部の民放ラジオ局ではネットを通じた配信がスタートしている。NHKは全国放送だから問題ないがこれが本格化するとラジオの送信(受信)エリアをどう考えるのか、ということが問題になってくるだろう。

この「らじる★らじる」、平成25年度末までの試行だという。ぜひとも続けてくれればと思う。「らじる★らじる」のURLはこちら。一度アクセスしてみてほしい。

http://www3.nhk.or.jp/netradio/


ふるかわ 拝

平成23年9月13日(火)
第426号「牛肉を食べましょう」

前回、大阪に行った、という話を書いたが、大阪に行ったのは佐賀牛をはじめ佐賀県産の牛肉をたくさん扱っていただいている大阪南港市場の関係者のみなさんに、日ごろのお礼と佐賀県産の牛肉を引き続きよろしくというお願い、併せて最近のセシウム汚染問題などで消費や流通にどのように影響が出ているのか、教えてもらうため、だった。結果的にはたいへんリアルな、そして考えるべき指摘をたくさんいただいた。心から感謝したい。佐賀県産の牛肉さえ売れればいい、ということではなく、日本の牛肉全体をめぐる問題として考えないといけないということを感じた。

ということで、まず改めてになるが、セシウム汚染牛問題とは、今回の福島第一の事故で放射性セシウムが飛散し、そのセシウムが屋外に置いてあった稲わらに付着し、セシウムの付着した稲わらを食べた牛の体内にセシウムが取り込まれ、牛肉から政府の暫定規制値を超えるものが見つかっている、という問題だ。

こうしたことがあって、現在、岩手県、宮城県、福島県、栃木県の4県については、国の指示により、放射性セシウムによる汚染の危険性が高い地域の農家や汚染された稲わらをエサとしていた農家については全頭検査を、それ以外の農家では全戸検査(全ての肉用牛農家から1頭ずつ検査)を行っており、全頭ではないがすべての肉牛農家を検査し、安全を確認したうえでえ出荷するという対応をとっている。
これは、出荷し、と畜後に行われる検査ということになる。この検査はすべての都道府県のすべての牛肉について実施されているわけではなく、現実にセシウムによる汚染牛が確認されたところについて行われている。

ということは佐賀県を含む九州の牛肉については、事故発生地からかなり離れていたところにあり、放射性セシウムを含んだ稲わらを食べた牛も確認されていないから、ということなどもあって、出荷時の検査がこれまで行われてきていない。
ということでいま現実には、精肉店やスーパーでは「検査済」と表示のある牛肉とそうでない牛肉とが混在している。
検査をしていない、ということはすなわち検査の必要がない、ということイコール安全、というのがこれまで関係者の考え方だったのだが、そうはいいながら流通の現場ではこうした混在が出てきているということで、
大手量販店では、どこの県のものであっても、検査をしていないものは扱わない、という方針を出すところが増えてきた。
こういう流れを受け、各と畜場や食肉市場でも、独自の動きとして扱うものは全頭検査する、という方針を打ち出し始めているところも増えてきている。

大阪南港市場における関係者とのやりとりはこうしたことを背景にした、かなり緊迫したものとなった。

「やりたい、というわけではないんですが、うちでは検査したものしか店頭に出しませんと言われたら、それは検査をしないといけないことになりますよね」。
「もともと関西は、牛肉の売り場が豚肉や鶏肉に比べて広かったんです。ところがいま、売り場に行ったら牛肉は狭くなってますよ。だからといって、豚肉がよけい売れてるかというとそうでもないんです。つまり肉全体の買い控えが起きてるようなんです。」
「だから、とにかく安心して牛肉を買ってください、と一日も早く言える状態にしないといけないと思ってるんです。もちろん、いまでも市場に出回っているものは安全なんですよ。ですけど、それをお客様に納得していただかないと、ものは売れません。そのためにも、市場で出まわっている牛肉はすべて検査済みですから、どうぞ安心して買ってください、と言えるようにしていただきたい。これが私どもの願いなんです。」
「牛肉の消費が回復したら、それは肉全体の回復にもつながっていくと思います。ただでさえ、鳥インフル、豚インフル(新型インフルエンザ)、BSE、、口蹄疫とこの数年間、家畜に関連する事件がいろいろ出てきていて、大変な状況なんです。BSEのとき、全頭検査を実施したことが消費の回復につながったことも事実です。ぜひあのときと同じ取り組みを政府に働きかけていただきたい。」

佐賀県内にあると畜場においても、やはり全頭検査を実施することが必要ではないか、という議論が進められている。

ただ、どういう機器でいつまでやるのか、人は、財源は?まだ見えないことも多い。

今回、新しく発足した野田内閣に対し、まずはこのことを提案していきたいと思う。知事会としての動きになるのか、佐賀県単独になるのかは未定だが、県内の生産者、県外の関係者からいただいたこうした声をしっかり政府に伝え、安心して出荷できる、購入できる、食べることができる、状態を一日も早く実現したいと思う。


ふるかわ 拝

平成23年9月6日(火)
第425号「さすべえ とは知らなかった」

先日、大阪に行った。そのとき大阪在住の職員から「大阪は夏場に自転車にのるとき傘さしている人が多いんですよ。」と教えてもらった。
正確に言うと傘をさしているんではなくて、傘を自転車にくくり付けてそれで日差しをよけているということのようだ。
たしかに、車から外を眺めると、自転車のハンドルのところに傘を開いたまま何かの器具を使ってくくりつけてそれで日差しをよけながら自転車の運転をしている人がけっこういる。
僕は知らなかったのだが、この傘を固定するための道具にはちゃんとした名前があった。その名も「さすべえ」。大阪では誰もが知っている有名商品らしい。楽天市場にも出てる。
ただ、これって違法ではないのだろうか。そう思って調べてみたらなかなか味わい深かった。

自転車の運転について、佐賀県道路交通法施行細則にはこうある。
第十一条 法第七十一条第六号に規定する車両等の運転者が遵守しなければならない事項は、次の各号に掲げるものとする。
一 (省略)
二 かさをさし、物をかつぎ、物を持つ等視野を妨げ、又は安定を失うおそれのある方法で、車両を運転しないこと。

これを読むと、傘をさす運転が禁止されていることはわかる。ところが傘を自転車に固定して運転すること(「さすべえ運転」と呼ぼう。)それ自体は禁止されているとはいえない。ただ、「安定を失うおそれのある方法での運転」は違法とされているから、さすべえ運転がこれに当たるのかどうかが問題になる。
この佐賀県道路交通法施行細則のような規定は全国どこの公安委員会でも定めているのだが、その運用の参考となる本に「交通の方法に関する教則」という本がある。これが今年の4月に改正された。この「教則」は警察庁が監修して作られている本なのだが、ここにおいて、規制や心得の具体的内容が書かれているため、実質的には道路交通法の解説書に近いものがある。
だから、その「教則」において「さすべえ運転」が「安定を失うおそれのある方法での運転」に当たるとされれば、実際には違法行為として取締りの対象になる可能性がかなり高くなるということになる。
当初、この改定に当たって「さすべえ運転が禁止される」といううわさが流れ、相当話題となったらしい。結局、教則では「自転車に乗る人の心得」という章の中の一部として、「傘を自転車に固定して運転するときも、不安定となったり、視野が妨げられたり、傘が歩行者に接触するなどして、危険な場合があります。」という表現におさまった。
ということなので、直ちに違法ということにはならない、という位置づけになった。

ただ、僕としてよくわからないのは、これは自転車の改造に当たらないのか、ということだ。そもそも、さすべえを付けた自転車はふつうの自転車なのか。
いわゆる自転車というのは道交法では「普通自転車」と規定されているが、「普通自転車」というためには道路交通法施行規則第9条の2によれば「イ 長さ190センチメートル ロ 幅60センチメートル」を越えてはならないとされている。
ところが傘を開いて自転車に括り付けてしまえばその「幅」部分についての規定をクリアできなくなってしまうのではないか。
では「さすべえ付き自転車」は道交法上どうなるのかといえば、普通自転車ではない、いわば「その他の軽車両」という扱いになるのではないかと思う。ところがそういう軽車両の運転の方法については、道交法上規定がない。そのさすべえ付き自転車を押して動く場合には、歩行者と同じ扱いになるということはわかるのだが、それに乗って移動する場合どうなるのかは、法律上明確な規定がないように思える。まあ、当たり前だろうが。

今回はこのことを言いたいのではなかった。自転車に関して9月1日から違法行為とされたことがある。
  ・自転車乗車中に携帯電話を手で持って使用する行為
  ・自転車乗車中に画像表示用装置に表示された画像を注視する行為

だ。これらが佐賀県道路交通法施行細則に規定され、上記行為が平成23年9月1日から取締りの対象(罰則:5万円以下の罰金)となった。

これについては議論の余地はない。僕もときどき自転車に乗るし、心しておきたいと思う。


ふるかわ 拝