2013年1月

平成25年1月29日(火)
第497号「いまさらながらの『ハリーポッター』」

すごく時代遅れなのだが『ハリーポッター』を読み始めた。日本語版だ。
もちろん架空の話なのだが、舞台がイギリスなのでイギリスっぽい雰囲気に満ち満ちている。
「こういう雰囲気ってアメリカ人にはどれくらい分かるのだろうか」と思って友人のアメリカ人に聞いたら、「私、アメリカンバージョンで読んだので、あまり違和感はありませんでした。」という返事。
恥ずかしながら僕は知らなかった。
英語版と米語版があるというのを。

「たとえば、どんなふうに違うの?」と尋ねたら「たとえば、一作目の原題はHarry Potter and the Philosopher’s Stoneでしたが、米語版は題名がHarry Potter and the Sorcerer’s Stoneに変更されていました。また、上に羽織る洋服のことを英語版ではjumper と書かれていますが、これはアメリカでは使いません。米語版ではsweater です。そのほかにもあると思いますけど。」
学校英語ではたしかに英語と米語が違うと習う。でも『ハリーポッター』の米語版が出るほど違うとは思わなかった。

英語一般についていえば、日本国内では米語が幅を利かせている。地下鉄はsubwayであってtubeとは言わないし、エレベータのことがliftと表示されているところもない。
どこかに米語でなく英語が残っていないかと思ってみれば「映画館」のスペリングにかすかに残っていた。「テアトル新宿」の英語表記は「Theatre Shinjuku」なのだ。テアトルという名前の映画館はだいたい英語表記は英国式にTheatreとつづっているケースが多い。(米語ではTheater。こちらは日本語ではシアターと書かれているケースが多い。)

そうそう、スペリングといえば、「厚生労働省」という我が国の役所の英語名称。これは「Ministry of Health, Labour and Welfare」と書くが、Labourというスペリングは英国風。(米国ではlabor)
イギリスの労働省は「Department for Education and Employment(教育・雇用省)」だったのであまり参考にならなかったが、米国の労働省は「Department of Labor」。
英連邦に属してもいない我が国なのになぜ労働の部分をイギリス表記するのか、は謎だ。
ところが世界的には、英連邦だろうが旧枢軸国だろうが労働政策担当省の英語表記は英国風にスペリングするのが通例だった。カナダやニュージーランド、インドは分かるにしても、ドイツやメキシコ、韓国までlabourで、アメリカ方式のスペリングなのはフィリピンくらい。
我が国も世界の趨勢に倣ったのだろうか。

ところで『ハリーポッター』に戻るが、この映画版はアメリカの会社が制作したのだけれど、原作者の強い希望でイギリス人の俳優を使い、英語で作ったそうだ。
友人によると、一般のアメリカ人にとっては特に問題はないと思うけど、彼女の知人の日本人(アメリカ在住歴20年以上)は「ハリー・ポッターの英語は聞きなれなくて分かりにくい」と嘆いていたとのこと。
これって、東京言葉と関西弁、みたいな感じか。

そういえば、こないだはじめてピーチアビエーションという国内のLCC(格安航空会社)を使った。関空をベースにして運航している航空会社。国内のLCCに乗るのは初めてだったが、ひとことでいえば、これまでのANAの飛行機ではあまりお見かけしなかった方たちも含めてお客さんの層が広がっているように思った。シニアのご夫婦とおぼしき方々や若い人たちの個人旅行など。
それと、おもしろかったのが安全設備の説明などの機内アナウンス。これが気持ちいいくらいアクセントが関西風。説明用語そのものは他社と共通なのだろうが、精神はちがうぞ、みたいな感じが伝わってきた。乗客に対するアナウンスの最後には「おおきに」。ボーディングパス(搭乗券)にも「OOKINI!」と印刷されていて、関西ベースの航空会社だという心意気が感じられてうれしかった。

『ハリーポッター』はマグル(魔法使いではない人間)の世界のことについてまで、いろんなことを考えさせてくれる。


ふるかわ 拝

平成25年1月22日(火)
第496号「銀座三越で佐賀フェア」

1月23日水曜日から29日火曜日までの1週間、銀座三越で佐賀フェアが開催される。昔のようにデパートの上の階で行う物産展ではない。この1週間、銀座三越の9階から地下3階までのあちこちのお店で佐賀県の産品を商品にしていただく、というフェアだ。
もちろん地下の食品のスペースは中心的な展開になる。たとえば僕らが「泥付き」と呼んでいるレンコン。銀座三越のパンフレットには「土付き出荷」と書いてあるが、これが出店するし、今が旬のイチゴ「さがほのか」を使ったスイーツは全部で12種類。あちこちのお店にお目見えする。

それについては、こんな話を聞いた。今回新しい商品を作ってもらうに際して、それぞれの商品の写真を仮撮りしたらしい。そうしたところ、佐賀県の職員からチェックが入ったと言う。ある商品の写真を見て「これ本当にさがほのかですか」と尋ねたらしい。
お店の人がびっくりした。実は、写真を撮るのにさがほのかが間に合わなくて、他の品種を使って写真を撮っていたのだ。
仮撮影なのでどの品種でも良かったのだが、見ただけで「さがほのか」かどうか分かる、すごいプロだと大変に驚かれ、信頼感がアップしたらしい。(注1)

今回の目玉の一つが「プルミエ」。佐賀県が誇る最高のフルーツブランドだ。銀座三越のパンフレットにも「もはや、味わう宝石」とある。たとえば、みかんについては、完全な色味、糖度14度以上、 酸度1%以下という日本で最も厳しい基準をクリアしたものだけにこの名前をつけている。他の産地のブランドみかんは糖度12度以上のものが多いことからしても、日本最高級といえるだろう。
「いいものを作っていただければ私どもがしっかり売りますから」と百貨店やフルーツ店の方々には言っていただいている。いま、佐賀県の農産品や食の水準がどこまで到達したのかを、ぜひ銀座三越で体験していただきたいと思う。

僕は初日の1月23日水曜日午後5時に地下3階ギンザグルメパークでお客様にご挨拶をさせていただく予定になっている。
どんな売り場になっているかワクワク。


ふるかわ 拝

(注1) 「なぜ写真を見ただけでさがほのかじゃないってわかったのですか?」と担当に尋ねたところ、なるほど、という答えが返ってきた。
「カットされたいちごの写真だったのですが、そのいちごは果肉が白くなかったんですよ。さがほのかは表面の赤と中の白がポイントですから。」

平成25年1月15日(火)
第495号「緊急経済対策 いま自治体の現場では」

自治体の現場ではいま、緊急経済対策への対応で大童(おおわらわ)。

公共事業ベースで約5兆円。これは平成24年度の国の当初予算における公共事業の金額とほぼ同程度。ということは、短期間で1年分余計に仕事をせよ、ということになる。
これはどういうことかというと、たとえば、ということだが、納期の短い大量の注文が突然舞い込んでくるようなもの。車の工場でもお菓子屋さんでもいきなり2年分の仕事をせよ、と言われたのでは面食らう。しかも、今回だけしかこういうレベルの発注がないということだろうから(=毎年、このレベルで注文が来る、ということではないわけだから)新たに設備投資して生産能力を上げようということにもならない。
当面は来年度予定していた事業を前倒しして今年度の補正の対象事業にする、という自治体がほとんどだろう。

問題は平成25年度(2013年度)予算のほうだ。もともと25年度に実施を予定していた事業の多くは24年度補正に前倒しされ、ということは25年度分の事業がからっぽになってきている。
「道路だって河川だってどこでもやるべきところはたくさんあるではないか」とおこられそうだが、どんなものをやるにも、まずは設計から入らないといけない。そして地元に説明して了解を得て、その後用地買収、そして工事、とこうなっていく。それが1年分一気に前倒しになったからといっても、急に設計が出来上がるわけではない。一連のプロセスでもっとも時間がかかるのは用地買収。これも政府の号令があるからといってスピードが上がるものでもない。

ということで僕らが考えている、または市長さんや町長さんたちから提案していただいている「用地買収のいらない、しかも効果が上がると思われる政策」をいくつかご紹介する。

〇 学校ICT(校内LANや電子黒板の整備、タブレット型PCの配布など)
学校は避難所にも使われることが多いし集会場としての機能もある。それを考えたときには、LANはもちろんだが、wifi機能もほしいところだ(フィルタリングの問題はあるにせよ。)。

〇 老朽化したため池やダムの浚渫
全国各地のため池(農業用水の確保と防災用水としての機能がある。)やダムの浚渫を行って水量と水質の確保をお願いしたい、という声は前からあった。アオコが発生して悪臭の原因になっていることも多く、飲み水の供給源になっているダムなどでは特にその問題は大きい。「新しく作る」のではなく、「既存のストックの利活用」なのだし。

〇 公共施設のメンテナンス
公民館のUD化、トイレの高機能化、電灯のLED化、建物のエコハウス化など、長寿命化させるための取り組み。これも、「新しく作る」ではなく、「既存のもののリニューアルまたはリノベーション」。

〇 空き家の除却、古いビルのリノベーションや地方都市の再生、電柱の地中化など美観の向上

こうして掲げたもののうち、経済対策の対象となっているものもあれば、なっていないものもある。

実は、このほかにも、地域振興券のような商品券配布事業というのが経済的に効果があることも知られている。とくに今回は、4月期から6月期にかけてのGDPの数値をなんとかいいものにしないといけないという至上命題を安倍政権は抱えている。のであれば、「期間限定の商品券というのは、かなり効果がある」とも思うのだが、いまの政権内ではあまり議論がなされていないようだ。

せっかく巨額の税金、というか国債を投じて実施する事業だ。今回は、地方が自由に使える交付金がなく、経済対策の実施内容はすべて国が決定する、ということになっている。それはそれでひとつの考え方とは思うが、ぜひとも地方の実情を見聞きしていただいたうえで、使い道を決めていただきたい。
そうしないと巨額の繰り越しが発生することになると思う。


ふるかわ 拝

平成25年1月8日(火)
第494号「タカラヅカとAKB」

去年の11月、佐賀県でバラエティ・アート・フェスタさが2012(第12回全国障害者芸術・文化祭さが大会)が開催された。そのオープニングにAKBのメンバー(美術部がメイン)に来てもらって、なかなかAKBのライブを体験する機会のないたくさんの障碍者の方々にも楽しんでもらった。

たまたま僕は東京の帰りで、佐賀に向かうAKBメンバーと飛行機の便がいっしょだった。
目立たないようにうつむき加減に機内に入ってきた彼女たち。みんなバラバラで入ってきたが、席はまとまって確保されていたようだ。そして、席に座った瞬間から女子トークが炸裂していた。
佐賀空港に到着した後は、ほかの乗客の方が下りる間、席に残ったままだった。マスクをして、フード付きのアウターを羽織っている。たしかにこれだと顔がほとんど見えなかった。(でも逆に目立ってました。ハリーポッターに出てくるホグワーツ校の生徒みたいで。)
AKBの佐賀でのライブはHKTもいっしょに来てくれて、とてもスペシャルな形に仕上がったと思う。
会場に来ていた肢体不自由児のお母さんから「こんな場所にうちの子を連れて来れるって思ってませんでした。」という言葉までいただいた。
 
ところで。
AKBというアイドルを見ていて、「これだけ国民的な人気を得ている秘訣はなんだろう」といろいろ考えているのだが、どうもタカラヅカに似ているのではないか、という仮説を立ててみた。
劇場で公演するスタイルが基本だ、という点もそうだし、専用劇場があるのも共通している。しかもチームA、チームK、チームBというクラス分けは、星組、花組、月組みたいなものじゃないですか。(ときどき変わるし。)
と、ここまで考えて「俺ってスゴい!」と思って知り合いに話したところ、「そんなもん、みんな言ってるよ。」。ネタ的にはどうも新味のない話のようだった。
やっぱり、ほんとに似てるんだよね。AKBと宝塚。
「推しメン」は「ひいき」ってことだろうし。
宝塚の芝居を観ていると舞台はフランスだの中国だの宇宙だのあちこちだが、ドラマの底に流れるのは日本人として共感できる感情だと思う。
AKBは歌そのものがとても親しみやすいというのもあるが、それ以上にチームやメンバーの持つ物語、たとえばチームAに対する対抗心をチームKの大島優子がどれだけ持っていたか、とか、オリジナル公演を実現するためにどれだけチームBのメンバーがいろんな思いをしたか、2009年のリクエストアワーで「初日」が1位になったときにみんなどんな思いだったのだろうとか、期待を担ってスタートしたはずなのに解散させられたチーム4のメンバーたちのことだとか、そういう出来事そのものが日本人として応援をしたり共感をしたくなる部分なのではないか、と思うのだ。
それともうひとつ。これは僕のオリジナルの意見だと思うのだが、「出身地」を意識している、ということも共通なのではないか。
宝塚の場合、地方公演のときには必ずご当地出身のメンバーの紹介をしてくれる。 AKBの公演も、僕の知る限り、地方公演のときはご当地メンバーを紹介している。オフィシャルサイトを見ても、プロフィールのところに出身地が書いてあるというのも共通。では他のアーチストはどうかと思って、EXILEのオフィシャルサイトにあるメンバ−のプロフィールを見たが、出身地は出ていない。Perfumeもなかった。
「やはり、そうか」と思って胸を張っていたら、秘書から「そういうご主張をされるのであれば『ももいろクローバーZ』はチェックされておいたほうが・・・」と言われ、おお、そうだそうだ、週末ヒロインを忘れてた、と「ももクロ」のオフィシャルサイトをのぞいたところ、「百田夏菜子 出身地 静岡県」などと書いてあった。うーむ。残念ながらAKBと宝塚だけの共通点とまでは言えないようだ。

とはいえ、AKBはいま47都道府県ツアーを敢行中だ。これだけのアイドルたちがすべての都道府県を回るってことは、なかなかない。
それと、宝塚といえば忘れてはならないのが、さがさくらジェンヌ。朝夏まなとさんが博多座の宙組公演『銀河英雄伝説』に出演中なのだ。1月28日までやっているので、僕も応援に行くつもりだ。

みなさんも、ぜひ観に行ってみられてはいかが?どちらも新しい発見があること請け合いだ。


ふるかわ 拝

平成25年1月1日(火)
第493号「年末顛末記」

12月26日夜に誕生した新政権。組閣から24時間経っていない12月27日18時に、僕は菅義偉官房長官と面談した。副大臣や政務官の発令が行われるその日の夕方のアポを取るのは、普通であれば絶対無理。そんな中、官邸で面会の時間を確保していただいた。スピーディな対応に心から感謝したい。
政府ではこれから年末年始の時間を使って、今回の大型補正予算そして平成25年度予算の編成作業が行われることになる。それに先駆けて、天皇誕生日の連休中に全国知事会のメンバーとの打ち合わせを行い、新政権に対して知事会としてこの時期に何を訴えていくべきか、をまとめることができた。そのことをしっかり伝えておきたかったし、佐賀県としてのいろんなアイデアも伝えたかった。
ほんとうにお忙しい中であったが、菅官房長官には丁寧にお話を聞いていただいた。
大型補正予算が組まれると国の補助金がたくさん地方に交付されることになる。ところが、地方とて今でもめいっぱい予算を組んでいるし、補助事業といっても地方が負担すべき部分もあるので、その辺を配慮していただく必要がある。こうしたことや、地方が自由に使える財源を確保してもらい、いわば政策コンテスト的に経済対策を行うような仕掛けが考えられないか、などといった話もできた。

翌朝は自民党本部に出かけた。正直、久しぶりだった。1年ぶりくらいだったと思う。
玄関を入ったすぐのところに受付があり、そこで二人のスタッフの方が対応をしておられるが、かつてはガラス窓があって、ガラス窓越しに話をするようになっていた。まるで昔のバスの切符を買うときのカウンターみたいな感じだったが、今はそれが取り払われていて、すっきりしている。
僕は高市早苗政調会長にお目にかかるため、エレベータのボタンを押した。ところが、なかなか来ない。各階でたくさんのお役人や支持者・支持団体とおぼしき人たちが乗り降りしておられるようなのだ。1年前に来たときには、エレベータで待つことはなかった。やはり与党に復帰したことで大変多くの人たちが自民党本部を訪れるようになっているのだ、とあらためて実感しながらエレベータの来るのを待った。
高市政調会長もご就任直後。分刻みのスケジュールの中、わざわざ面談時間を確保し、やはり地方の実情に耳を傾けていただいた。
高市さんに初めてお目にかかったのは、今から20年くらい前。僕が長野県地方課長をしているときで、当時高市さんはテレビのコメンテーター。若さに似合わず、ずばすばとものを言われている姿が気に入って、選挙関係の講演に来ていただいたのが最初だった。それから高市さんは大臣まで務められ、今は政調会長という要職に就かれているが、ひょっとしたら僕が高市さんとお話できたのはそのとき以来かもしれない。

たくさんの政治家やお役人が、正月返上で補正予算に向けて準備をしておられる。
日本経済をなんとか再生させなければならない。その思いを政府と共有しながら、なんとか今年がいい方向に向うように努力していきたいと思う。


ふるかわ 拝