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2015年10月27日(火)

週刊yasushi 第637号「措置外し」

 

 

地元にいるときには各地の祭りや行事に出席しているだけではない。企業や事業所を訪問して現状や課題についてお話を聞かせていただくことも多い。先週末は建設関連企業や高齢者福祉関係の事業所を回っていろんなお話を伺った。

 

例えば養護老人ホームを訪れた時のこと(「特別」養護老人ホームではない)。

養護老人ホームと言うのは環境的な理由または経済的な理由によって自宅で暮らすことができない高齢者のための施設。つまり、虐待されている場合や金銭的に厳しい生活を余儀なくされるような人が対象になる施設で、契約ではなく自治体による「措置」として行われる。

措置されるかどうかについては、自治体の判定委員会で判断をされることになっているが、最近、以前に比べ、措置されるためのハードルが高くなっているという。自治体が養護老人ホームへの措置を嫌がっている傾向がある、というのだ。

理由はシンプル。金目だ。

養護老人ホームへの措置の場合、それに要する費用はすべて自治体の一般財源になる。国からの交付金などはない。地方交付税で必要な金額がカウントされているものの地方交付税は使い道自由な財源なので養護老人ホームへの措置の分の経費としてあてにしにくいところがある。

一方、措置をしないという決定がなされた場合、その高齢者は生活保護を受けるようになることがある。

生活保護は、国の負担、都道府県の負担があり、残りの部分が市町村の負担なので、要は養護老人ホームへの措置に比べて市町村の負担が軽い。

その結果、本来であれば養護老人ホームに措置されてもおかしくない人が自宅で生活保護を受けるようにと言う指導がなされるような事例が地域によっては発生している。これが「措置外し」と呼ばれるものだ。

家族に虐待を受けたから、ということで高齢者が「措置」により自宅から養護老人ホームに移られたものの、しばらくしたら虐待の可能性がなくなった、というのでその家族のいる自宅にまた戻された、という例もあると言う。果たして大丈夫なのだろうかと心配になってしまう。

 

措置権についてはかつて都道府県の権限だったものが市町村の権限に移ったため、市町村長がどう判断するか、ということだが佐賀県内の市町の調査結果を見ると、唐津市では積極的に措置が行われているのに対し、他の市町ではそうでもなさそう。

この辺もよく調べてみないといけない。

 

また、介護職員の処遇改善のための加算制度についてもご意見をいただいた。介護の世界は慢性的な人手不足。その解消の一助にと介護職員の処遇改善のための財源、要は介護職員の給料アップのための財源が確保された、ということだ。それはそれで評価されるべきだと思うが現場の受け止めはちょっと違っていた。やや、戸惑っている、と言う。

「介護施設は介護を直接行っている職員だけで成り立っているものではありません。料理を作る人、洗濯をする人、事務の人、運転する人などいろんな職種の人がいて初めて成り立つもの。介護職員だけ給料をアップする、ということは現場の空気、というか雰囲気が微妙になってしまうんです」というのだ。

今回の介護職員の処遇改善加算制度は、専門職としての介護職員の給与が看護師等他の専門職種に比べて低過ぎるという問題意識の下に作られたのだが、「介護と言う職種に限定しない形で処遇改善に使えるようにならないだろうか」というお話は重い宿題として受け止めさせていただいた。

 

どこの現場にも様々な課題がある。少しずつでも解決に向けていい方向を出していきたいと思う。

 

 

 

ふるかわ 拝

 

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2015年10月20日(火)

週刊yasushi 第636号「有田皿山まつり ~技術といい思い出とサムマネー~」

 

 

秋たけなわ。お祭りシーズンでもある。毎日あちこちに出かけている中、先日は有田皿山まつりに行った。有田は有名なやきもの産地。日本で初めて磁器がつくられたのがこの町、そしてその陶土が発見され採られていた場所が皿山だ。

来年日本磁器誕生400年を迎えることになるこの有田の皿山祭り。大変に盛り上がっていた。

 

ところで美空ひばりと言う歌手がいた。昭和の時代の不世出の歌手といってもいい。数多くの曲をレコードに吹き込んだ美空ひばりだったがその彼女をもってしても録音した音頭はたった一曲しかない。それが「チロリン節」だ。

 磁器が出来上がるとき、窯の中で温度が下がっていくときにチロリンという音がするという。それにちなんで有田のために作られ、吹き込まれた曲だ。そしてそのチロリン節に合わせて踊りが作られた。この皿山まつりでは大小様々なグループがチロリン節に合わせて小さな皿を指に挟んで踊るのだ。

 

僕が行ったその日、町民挙げてこの音頭に合わせて踊るのだが、その中に頭にスカーフを被ったひときわ目立つ女性の一団がいた。インドネシアからの研修生の人たちだった。

 有田町内に立地する自動車関連企業の技能研修生として有田に来ておられる人たちだ。製造業の技能研修制度といえば男性のイメージが強いがそうではないらしい。地域に溶け込みながら踊っていただく姿をとても嬉しく思った。

 

「有田に来て難しかったことはなんですか」と尋ねてみた。

 

「ゴミの出し方が難しかったです」と笑いながら答えてくれた。インドネシアでは日本の自治体のようにゴミを細かく分別して出すと言う習慣がないと言う。

 

 研修生の人たちをご指導していただいている方にも尋ねてみた。

古川「インドネシアと日本とでは違う事がいろいろあると思いますがどんなことが違ってそうですか」

指導「病気になった時ですね。インドネシアは国民皆保険と言う制度がないせいか、熱があったり具合が悪くなっても病院に行こうとしません。病院に行けばお金がかかると言う意識があるのではないでしょうか?」

古川「研修生の方達の保険はどうなっているのですか?」

指導「会社の社会保険ですよ。しかも住民登録もしています。安心して病院に行くことができるのです。」

古川「じゃぁマイナンバーもお持ちですね?」

指導「見たことはありませんがそうかもしれません」

 

外国人研修生の問題についてはさまざまな課題があり、実情に合った形での見直しが行われることになっている。

この有田で地域で溶け込みながら働いておられる人たちとのわずかな時間のやりとりがとても嬉しかった。

 

来年、第1期生たちは本国に帰る。技術と、いい思い出と、サムマネーを手にして有田を後にしてほしいと願う。

 

 

ふるかわ 拝

 

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2015年10月13日(火)

週刊yasushi 第635号「乳がん発見のために」

 

 

北斗晶さんの乳がんのニュースは多くの人たちを驚かせた。

 

乳がんを発見する方法はいくつかある。近年になって普及してきたのがマンモグラフィー。これは放射線を使った検査だ。もう一つが超音波検査(エコー)。

 

多くの自治体や企業の場合定期検診で乳がんを発見するために行われているのはマンモグラフィー。

北斗さんはこのマンモグラフィーによる検診と合わせてエコーを毎年受けていたが残念なことに早期にがんを発見することができなかったようだ。

 

だからといってこれらの2つの検査に意味がないと言うことではない。万能ではないと言うことだ。

 

最近、ある女性が乳がんと診断された、と言う話を聞いた。彼女はマンモグラフィーによる定期検診を継続的に受けていたにもかかわらず早期発見できなかったため、なぜ発見できなかったのかを主治医に聞いたところ、「エコーしてなかったでしょう」と言われたそうだ。「エコーすれば発見率が上がるのであれば、なぜ行政側はマンモグラフィーを受けましょうと言わずマンモとエコーを受けましょうと言わないのか」とその女性の方は大変怒っておられたと言うのだ。

気持ちはよくわかる。

 

確かに現在乳がんの早期発見のための標準的なやり方としてはマンモグラフィーが推奨されていてエコーとの併用については推奨されるというところまでは至っていない。ただ全国では30%の市町村がマンモグラフィーとエコーの併用を市町村検診で行っている。

 

厚生労働省はどう考えているのか。

 

平成27年9月29日、「がん検診のあり方に関する検討会」で乳がんの検診について以下のような内容の中間報告がなされた。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000098766.html

 

 原文が医学的な言葉遣いで書かれていて理解できなかったので専門家に解説をしてもらったところ要するにこのようなことだったと言う。

 

1  マンモグラフィーについては乳がんの早期発見のために有効な手段であるのでこれからも推奨をしていく。

 

2  超音波検査(エコー)については早期発見に一定の効果がある事は認めながらも、「読影技術や診断基準の標準化等、評価体制や実施体制についても引き続き検討していく必要がある」とされている。

 

3  これは超音波検査(エコー)はその検査できちんと発見できるかどうかが検査者個人のスキルに依存してしまっている、ということが課題になっているということ。

 

4  だから、そこの所をきちんとすれば併用を推奨するが、しかし、今のところは推奨するまでには至っていない。引き続き検討をしていく。

 

ということらしい。

 

北斗さんのようにマンモとエコーを併用していたしても発見ができない場合もある。また、仮にマンモとエコーの併用を推奨することとした場合、そういう体制を全国的に取ることが可能か、人材の確保や能力の向上ができるのかという問題も出てくる。

 

しかしながら、そのような体制が整えばこれからはマンモグラフィーとエコーの併用が推奨される時代になるのだろう、と思う。

 

乳がんはライフスタイルの変化もあってこれから増えていくがんだと言われている。ぜひとも早期の発見と死亡率低下につながる効果的な政策の展開を、と願う。

 

ふるかわ  拝

 

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2015年10月6日(火)

週刊yasushi 第634号「僕なりに答えます 平和安全」

 

 

第2回  平和安全法制と日本国憲法

 

今回は、平和安全法制と憲法の関係について考える。

 

今回のポイントは2つ。

 

1   私は今回の法制が憲法違反だとは考えていませんが最終的には最高裁によって判断されるものと考えます。

 

2  今回の法制によって徴兵制を導入しなければならなくなるのではないかという意見も聞きますが、そもそも徴兵制は日本国憲法に違反して許されないほか、現代の高度な装備を持った防衛組織は徴兵制ではとても維持できず、徴兵制を導入する必要がないと考えます。事実、先進国においては徴兵制は採用されていません。

 

以下Q&Aで。

 

Q1

そもそも今回の平和安全法制は憲法違反ではないのか?大勢の憲法学者も意見だと言っている。撤回すべきだ。

 

A1

私は、今回のような限定的な集団的自衛権は我が国の存立を全うするための自衛のための措置としては憲法も認めるところだと思っています。これについていろんなご意見があることも承知していますが、最終的には最高裁判所が判断するものと思っています。学者が憲法違反と言ってるから憲法違反になる、というものでもないと思っています。

 

日本国憲法第9条に関してはこれまでも解釈がかなり変化してきました。

 

昭和21年6月28日、政府の憲法改正草案の審議が行われた帝国議会衆議院本会議において、吉田総理はこう述べています。

「戰爭抛棄に關する本案の規定は、直接には自衞權を否定はして居りませぬが、第九條第二項に於て一切の軍備と國の交戰權を認めない結果、自衞權の發動としての戰爭も、又交戰權も抛棄したものであります。」

つまり、自衛のための戦争もそのための戦力も憲法では予定していない、という答弁だったのです。

それが1950年になるとこう変わりました。

同じく吉田総理の答弁です。

「いやしくも国が独立を回復する以上は、自衛権の存在することは明らかであつて、その自衛権が、ただ武力によらざる自衛権を日本は持つということは、これは明瞭であります。」

私は、こちらの判断の方が正しいと思いますが、大きな憲法解釈の変更だった事は間違いありません。

訴訟がいくつも提起されました。そんな中、唯一、自衛権について最高裁判所が判決を下したのが砂川判決でした。そこにおいて最高裁が我が国の自衛権を認めました。

 

また、1993年にPKO法が成立した時もPKOは憲法違反だとする方がいらっしゃいました。ですが、これまでの活動について国民の間でも国際社会においてもわが国のPKOは高い評価を受けていると私は思っています。

 

また、今や自衛隊はわが国の行政機関の中で最も信頼できる機関として国民が認知するまでに至っています。

 

ところで、その自衛隊そのものについて憲法学者の人たちはどう考えているのでしょうか?最近の調査によればよれば憲法学者のうち6割以上の人たちは自衛隊そのものを憲法違反だと考えているようです。さらにPKOについては8割以上の人たちが憲法違反だと考えているようです。

 

そもそも自衛隊の存在やPKOについて憲法違反だと考える人たちが、今回の法律案が憲法に違反するとお考えになるのも無理からぬところがあると思います。

 

ただ、憲法学者は野球で言えば解説者だと思います。往年の名選手が良い解説をされる。これはわかりやすくもあり聞いていて楽しくもあります。しかしながら解説者がジャッジするわけではありません。ジャッジをするのはあくまでも審判です。

ここで言う審判というのは最高裁判所のことです。ここが最終的に判断をすることになる、と私は考えます。 (A1以上)

 

 

憲法との関係でいえば、

徴兵制について、こんな議論もあります。

 

Q2

危険度の高い仕事をしなければならないとなったら自衛隊に入ろうとする人たちが減ってしまって足りなくなるのではないでしょうか?そうしたらそれが徴兵制につながるのではないかと不安です。

 

A2

現在、自衛隊に入ろうとする人の数は極めて多く、幹部候補生で競争率は10倍、一般の自衛官で競争率は7倍程度です。そもそも今回の法案成立で自衛隊の応募状況に変化があるとはあまり思えませんが、仮にそれがあったとして半分の人間しか応募しなくなったとしても選抜に必要な程度の応募は十分確保できると考えます。

また、徴兵制については、例えばG7各国のようなわが国同様成熟した社会を持つ国家においては採用されていない制度です。先進国の中では徴兵制を採用しているのはスイスだけ。ちなみにこの国は集団的自衛権によらず個別的自衛権のみで対応している国です。

 

極めてハイテク化し、宇宙空間やサイバー空間での対応も必要とされる現代の自衛隊業務について、徴兵制によって集められた人たちでこなしていくのは極めて困難だと考えます。であるが故に高度な装備を持った国においては徴兵制を採用していないと考えます。専門性の高い志願隊員が自衛隊を構成することでより志気の高い組織として国民の期待に応えられると考えます。

 

もとより、徴兵制は憲法第18条の「意に反する苦役」に該当するので、明文の規定で禁止されているわけですが、実態的にもこのようなことが言えると思います。

(A2以上)

 

 

来週からは別の形で引き続き平和安全法制について僕なりに答えていきたいと思う。

 

 

ふるかわ 拝

 

 

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