週 刊 y a s u s h i

2 0 1 7 年 5 月

 

2017年5月29日(月)

週刊yasushi 第720号「育児保険と子ども保険」

 

最近、小泉進次郎議員たちのグループが「子ども保険」を提唱されはじめた。社会保険料を0.1%上げてその分で待機児童や子育て対策の財源にしようと言うものだ。

実は僕が佐賀県知事の頃、佐賀県ではこの先駆けとなる「育児保険」と言う構想をまとめて毎年国に提案していたことがあった。

2003年(平成15年)に初めて世に問い、九州地方知事会で検討を重ね、その後佐賀県単独での研究を深め、厚生労働省の記者クラブで「育児保険構想」を公表。その後のブラッシュアップを続けて平成24年まで提案を続けた。

 

20歳以上の国民1人が月々2,100円を負担することによって子育て財源を確保しようと言うものだった。

こうすることによって安定的に子育て支援の財源が得られることになるし、この構想では、保育サービスを使わずに家庭で育児されている人にも給付をすることにしていた。また、育児休業給を8割まで上げることで子どもが小さいうちは自宅で育児するという選択肢を選びやすいようにする、という考え方も取っていて、そうした部分を評価していただく向きもあった。

一方で20歳以上の大人が2人いる家庭では月々の負担が4,000円を超えることになり負担が大きい、と言う意見や、そもそも子どもが生まれることが保険的には「事故」になる、ということがけしからんと怒る人もいた。

厚生労働省に提案に行くと「政治家が子育て支援に熱心ではないからこのような話は現実的ではない」という話や「財務省はこうした構想には否定的ですよ。こうしたことをやるのなら消費税率をアップしてやるべきだと言うのが財務省の考え方ではないでしょうか。」などと言われていた。

それでも佐賀県はブラッシュアップを続けたのだった。

結局、子育て政策の財源については、税と社会保障の一体改革の中で、消費税アップの一部を活用することで整理されたため、現段階ではこれ以上の財源確保は難しいと提案をやめたのだった。

 

元はといえば、僕が最初に子育て政策について関心を持ち始めたのは平成10年版の『厚生白書』だった。

そこのカコミ記事だったように思うが「このままの人口の変化が続くと、1500年後の西暦3500年には日本人は約1人になる」という衝撃的な記載があったのだ。

僕がそもそも行政の世界に入ったのも、過疎に悩む地方をどうしたら元気にすることができるのか、がきっかけだった。その行き着く先としての「約1人」という表現は極めてインパクトの強いものだった。

その白書を作った当時の厚生大臣は小泉純一郎。そのご子息がいま子ども保険を提唱しておられるのも何か因縁めいている。

 

実は佐賀県の育児保険構想は僕が考えたわけではない。当時、子育て支援担当課の職員がある日「こういう考え方があるんです」と本を持って来て見せてくれた。そこに子ども保険の考え方が示してあったのだった。

ただ、そこにはバックデータがなく、実現の可能性があるのかどのような中身なのかわからない。

その本の著者にアプローチすることから始めて自分たちでも勉強を重ね、

公表するに至ったのだった。

たいへんだったと思うがよく頑張ってくれたと思う。

そして状況の変化があるたびに改訂版を出し、最後はver.7まで行った。

 

シャツをまくって汗を拭きふき懸命に説明してくれたこの構想の担当であり発案者である元県職員馬場光彦さんは惜しくも数年前に亡くなられた。

最近話題になっていることで、やっとこれが陽の目を見る時代が来た、ときっと泉下で微笑んでおられるに違いないと思う。

 

 

 

ふるかわ 拝

2017年5月22日(月)

週刊yasushi 第719号「神戸での披露宴」

 

日曜日夕方は神戸での披露宴に参加した。

長年来の友人の娘さんの披露宴で、しかも主賓として挨拶をすることになっていた。様々な日程の立て込んでいる中ではあったがなんとかやりくりして出席した。

 

新婦は佐賀県内のご出身で、新郎は神戸の出。プロフィールを頂いたときに新郎の卒業小学校が本山第一小学校だったと知ってびっくりした。

阪神淡路大震災の時、僕は兵庫県のお隣の岡山県庁に勤務していた。震災後、プライベートで神戸に向かい、ボランティアのお手伝いをしたのだが、その場所が本山第一小学校だったからだ。しかも新郎はその頃小学生だったと言うから、あるいはその時顔を合わせていたかもしれない。

また、兵庫県と佐賀県といえば、兵庫県前知事の貝原俊民さんが佐賀県武雄市のご出身。さらにその前の坂井時忠さんは佐賀市のご出身と二代続けて佐賀県出身の知事が続いた土地柄。

さらに現在の知事の井戸敏三さんも、若い頃、佐賀県庁で勤務しておられた経験がある、と何かと縁が深い。

特に貝原俊民さんは、僕が佐賀県知事の頃、関西佐賀県人会の会長を長らくお勤めいただいていていろんな意味でお世話になった。

僕が知事任期3期目の最後の1年になったある日、貝原さんに会ったとき、貝原さんから「君はもう次の知事選に出るのはやめたまえ」と言われたことがあった。知事の仕事を長くするより、他の道を目指せと言う意味だったと思うが、それでもどうしようか迷い続けた。結果的に次の知事選挙には出ないと言うことを決めたその日、真っ先に報告しようとしたのに貝原さんは交通事故で入院され、そのまま帰らぬ人となられた。

披露宴前の空いた時間に久しぶりに神戸の市内を歩いた。あちこちに大きなクスノキが若葉を誇っている。

クスノキ、見事ですね、と近くの人に声をかけたら、「兵庫県の県の木だからね」という答えが返ってきた。

えっ!佐賀県もクスノキが県の木。

ここにもつながりがあったのだった。

 

 

 

ふるかわ 拝

 

2017年5月15日(月)

週刊yasushi 第718号「虹の松原で見たもの」

 

先週の日曜日、虹の松原をきれいにする活動に参加した。

虹の松原は約220ヘクタールほどもある防風林であり防潮林。日 本の3大松原の1つとされている。福岡ヤフオク!ドームが30個 入ると言われているから、大きさのイメージが湧こうと言うものだ 。

風害や潮害に苦しんだ江戸の初期に当時の唐津藩主が造らせた虹の松原。松原と言うだけあってもともとは松だけの単層林だったはずだが、最近では広葉樹が随分増えてきているし、松葉が増えて松原の中が富栄養化してきている。

富栄養化しているのは枯れた松葉を昔は焚きつけにしていたのを今 は使わなくなってしまっているからなのだろう。

自然を守るためには人間は近寄らないほうが良いと言う考え方もあるかもしれないけれど、逆に人が入り込むことによって守られるものもあると思う。

この虹の松原の近くで育った私の父の話を聞くと、小さい頃は松原 に行って松葉を拾って焚きつけにしていた。時々松露が生えていた のでそれをとって味噌汁に入れて食べていたという。

 

いまや超貴重品となっている松露が味噌汁の具だったのだ。

人間が入り込むことによって松露にとっても生育しやすい環境がで きていたようだ。

 

この変化しつつある虹の松原をなんとか住民の手で守り育てていこうと言うことでKANNEというNPO法人が広く市民に呼びかけ 自分たちが守っていく区画を決めてもらい、時々手 入れをしていただくと言うアダプト方式で、なかなか国だけでは管理の行き届かない虹の松原を守ってもらっている。

 

先週の日曜日は数百人集まってクリーン作戦が行われた。日頃使われない枯れた松葉もうずたかく集められてトラックに積みこまれた 。

「これどこにもっていくのですか?」と尋ねたところ答えは意外なものだった。

 

「葉タバコの畑です。」

 

「葉タバコの生育に松葉が有効だということで昔から堆肥に使われているのです。」

 

「最近では廃作(葉タバコを作るのをやめること)が進んだことも あって、松葉を使う量がずいぶん減っていますけれど」。

 

松葉は人の暮らしだけでなく葉タバコの生産にも役に立っていたのだった。

 

 

ふるかわ 拝

 

 

 

2017年5月8日(月)

週刊yasushi 第717号「実感!医療介護とICTの連携」

 

先日、唐津・東松浦郡医師会の方に集まっていただき今後の医療・介護のICT連携について勉強させてもらう機会があった。

父がお世話になっていた医師の方や医師会で事務的な責任者としての仕事をしておられる方などが集まられ、たいへん刺激になった。

なぜこのような会をしようと思ったのかというと、佐賀県の医療・介護のICT連携は全国的に見てもモデルになっているくらい先進的だと自民党の会議で聞いていたからだ。

これはカナミックネットワークという会社のサービスを利用しながら、医師や訪問看護のナース、ケアマネジャー、ヘルパーさん、薬剤師など、本人に関わる多職種の人たちがネットワーク上でつながり、それぞれの立場から本人と接した記録や感想、所見をコメントする、というものだ。

 

現場の医師のお話をお伺いすると、こうしたやりとりがネットワーク上でできるようになったことで何より電話でのやりとりが極端に減ったと言う。

「もちろん緊急のことはいまも電話でやっています。でも緊急でないものは電話する必要は無いのです。ただし、今日こんなことがあったと言う情報を共有はしておきたい。これまでそうした情報を共有できる手段がなかったのです」。

 

在宅での生活の場合、患者さんであるご本人と日常的に接するのは医療の専門家よりも介護の方のほうが多い。この方たちから「今日は食欲がない」、「昨日あたりから目が腫れているようだ、」などという報告が上がってきてそれを担当医師も見ておいていただくことで、患者さんの様子をきめ細かく把握することが可能になっていると言うことだ。

これがこの地域で広がりつつあるし、県医師会のリーダーシップと佐賀県庁の協力で佐賀県全般に広がってきている。

 

ふと、父がお世話になっていたクリニックの先生がこう言われた。

「ところで、患者さんのことについては他人には言わないものですが、古川さんは昨年亡くなられたお父様のご家族なので申し上げますね」。

 

「なんでしょうか?」ちょっとドキドキする。

 

「実はお父様のご様子もケアマネさんや訪問看護の人たちと私たちとはこのネットワークを使って情報交換してたんです。ですからお父様を直接診察する事は時々しかなくても毎日のご様子はネットワーク経由で拝見させていただいていました」。

中身は見れなかったが、画面の一部を見たら、父のお世話をしていただいていた何人もの方のお名前があった。

家族の知らないところでも関係者がに本人についていろんな取組みをしていただいていたのだと、改めてお世話になった方々への感謝の念が湧いてきた。

 

それでだったのかと思った。前にそのクリニックに父を連れて行った時、月に1度しか行っていないはずなのに、最近の父の生活の様子をご存知だったのでちょっと驚いたことがあったのだった。

 

「医療・介護連携とICT」と言うキャッチフレーズ的な言葉が実は自分の家の中にも入り込んでいたのだった。

聞けば、家族は申し出によってそのネットワークに入ることができるとのこと。であれば、遠くで暮らしていても親の様子を手に取るようにわかることができる、というわけだ。

知らなかった。知っておけばよかった。

 

この取組みが佐賀県全体にも広がっていくことになることを心から期待したい。

 

 

ふるかわ 拝

 

 

2017年5月1日(月)

週刊yasushi 第716号「外務省がゴルゴ13に依頼?」

 

大型連休が始まっている。

NHKはゴールデンウィークとは言わず大型連休と呼んでいる。

もともとが映画業界の宣伝だったと言うこともあるだろうし、もちろん休みじゃない人も多い(ささやかながら僕もそうだ)わけだから、あまり派手派手しい名前ではなく、平板な名前の方が良いと言うことなのかもしれない。

 

ところでこの大型連休に海外にいかれる方は多いと思うが、海外に行くときにぜひ登録してほしいのが「たびレジ」というシステム。

 

外務省が行っているシステムで、海外に行く時にあらかじめ登録しておくと何か連絡すべきことがあったときにメールが来たり連絡が届いたりすると言うもので登録は簡単。

もともとそんなに複雑ではなかったが、5月1日からさらに登録が簡単になった。

 

もちろん無料だし安心感につながるものだからぜひ登録して海外に行っていただきたいと思う。

 

https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/

 

半島情勢も不穏な中で旅行に行ってもいいだろうかと思う人もおられるだろうが、中国についてはシンチャンウイグル自治区やチベットにはレベル1の「十分注意」という注意喚起が行われているが、韓国についてはなにも出ていない。

 

もちろん何も起きないことを保証するということではないが、客観的な情勢を判断する参考にはなると思う。

 

ところで、企業向けにこういうものが出ている。

http://www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/golgo13xgaimusho.html

 

外務省がゴルゴに依頼!というなかなかの取組み。

それで思い出したことがある。

今から20年以上前のことになるが、当時僕は長野県庁に勤務していて、駒ヶ根市にあったJICAの研修センターに視察に行ったことがあった。

発展途上国を中心に勤務する人たちの研修と言うだけあって、様々なプログラムが準備されていて感心した。図書館を覗いてみたらあちこちの国の様々な情報に関する本が並べられていた。

その中に『ゴルゴ13』のシリーズがずらりと並んでいたのが印象的だった。当時から現場ではゴルゴに依頼していたのだった。

 

渡航をされる皆さん、そして海外で働いておられる皆さん、どうかご安全に。

 

 

ふるかわ 拝

 

衆議院議員

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