週 刊 y a s u s h i

2 0 1 7 年 6 月

 

2017年6月26日(月)

週刊yasushi 第724号「図書館の本の流通現場にて (下)」

 

そもそも図書館に入る本は一般の本や雑誌のルートとは違っていた。

版元が出版しようとする本を予めTRC(図書館流通センター)が長年の経験に基づき何冊ぐらい売れるか予測しそれを仕入れ、しかもその本1冊1冊を人が作業して、書誌情報(どういうジャンルの本なのかどういう内容なのか)もまとめてデータベース化している。これを各図書館は活用することができる。

こうしたデータを入力する作業をやっている場所を見た。作業する人(ほとんどが女性)が1冊の本を手にして、その本に入っている書誌情報を入力している。タイトルや本の大きさ、厚さ、内容など、だ。

著者についても同姓同名の人がいるため、内容や生年月日などできちんと特定できるように作業が行われる。

こうした本を別の場所では図書館向けにビニルコーティングし、ラベルを付けるという作業が行われていた。そのままではコーティングできない場合もあり、カバーに切り込みをいれることもある。

ラベルの付ける場所や分類の仕方などは図書館によって違う。

 

いかにも日本的なのだが、「この図書館は図書館の名前のシールを、背表紙の下の真ん中の下から2.5センチのところに貼るが、重要な情報(本のタイトルなど)がそれで隠れてしまう場合には、その左側に貼る」などのカスタマイズが行われる。シールなどどこに貼ってもいいように思うが、そうではないらしい。

少しでも場所がずれていると返本されてしまうこともあるのだと言う。現場では定規を当ててラベルを貼っている。

そして、本が痛まないように梱包されて注文に応じて個別の図書館に配送され、図書館では着いたものを直ちに新着図書として並べられる。

どういう本が届いているかについてはすでに登録済み。

これだけの手間をかけて図書館に本が納入されていて、しかも値段は本の定価のままだ。できるだけ図書館の現場に負担をかけないようにあらかじめ図書館に納入する現場で前処理が相当程度行われていると言うことだ。逆に言えばそういう前処理が行われていない状態で図書館にいきなり本を持ち込まれても現場の図書館の人たちは図書館用に製本する必要が出てきて手間になってしまうと言うことなのだ。街の本屋さんから図書館が直接本を買うと言う事はこうしたデマを街の本屋さんが担うかあるいは図書館側が負担するかということになる。なかなかそれはどちらも難しいような気がする。

 

だからなのか、とハッとしたことがある。

僕は以前からベストセラーになっている本を買って読み終えたらそれを図書館によく持って行っていた。

リクエストも多いだろうし、少しでもお役に立てば、という気持ちからだ。

さぞ喜ばれると思っていたのだが、一応「ありがとうございます」と言ってはいただけるものの、そんなに喜ばれるものではない。

要するに、直接納本されても図書館側の手間がそれなりにたいへんなのだということではなかったか。

 

図書館は街の本屋さんから本を買えばいい、というのはちょっと違うな、と痛感した。

 

街の本屋さんを守るためにどうすれはいいのか、引き続き考えて行きたい。

 

 

 

ふるかわ 拝

 

2017年6月19日(月)

週刊yasushi 第723号「玄人の政治」

 

6月15日の早朝。参議院本会議でテロ等準備法案は成立した。

会期は実質16日まで。それを1日残しての重要法案成立。多くの人は会期内には成立しないだろうと思っていたのを離れ業で成立に持っていったのは参議院の自民党の幹事長である吉田博美参議院議員をはじめとする国会対策に当たられてきた方々のおかげ。

心から感謝したい。

 

吉田博美幹事長は平成研究会という派閥の参議院側の会長もお勤めになっている。豊富な政治経験に裏打ちされた独特の読みをされ、また、筋を曲げない方だ。

 

先週の木曜日。お昼は各派閥の総会が毎週開かれている。僕の属している平成研究会で行われた総会で吉田幹事長はご挨拶の中でこう言われた。

「今日のある新聞に会期は小幅延長と出ていた。ふざけるんじゃない。こちらは会期内にすべての法案を通そうと思って全力を挙げてみんなが取り組んでいるんだ。そんな時にこんなふざけた記事が出るとは誠に遺憾。必ず会期内にすべての法案を上げる。それがダメなら大幅延長。間違ってもこの記事の通りにはさせない」大変に強い口調だった。

 

 

結果的には吉田幹事長のおっしゃった通りになった。

 

奇策とも見える「中間報告」というアイデアでテロ等準備罪法案を本会議で可決成立させると言う離れ業をやってのけた。

 

これで国会は延長せず会期内で終了することになった。

 

翌週の木曜日のお昼。その朝にテロ等準備法案の採決が行われた、その興奮も冷めやらないような表情で吉田幹事長はご挨拶された。

「みなさんのおかげで可決させることができた。私が先週厳しいことを言ったが、要するに政治家というのはただしゃべればいいというものでは無い。できればしゃべらないに越した事は無い。自分たちがどういう作戦でいるのか何を考えているのかそういったことを話してしまえば、できることもできなくなってしまう。今回は自分の考えを本当に誰にも言わなかった。そして最後の最後になって限られた人に話をして、一気に持っていった。そのようにするしかなかった。政治家はしゃべらないようにするのが1番いい。」

 

大きな仕事を成し遂げられた政治家の言葉だけに一言一言が心に沁みた。

 

さて、180日間の長い会期を経て通常国会は終了。

7月2日までは都議選の対応などがあるが、これから3カ月間は地元に張り付いて政治活動に全力を注ぐことになる。

さぁいよいよだ。

 

 

 

ふるかわ 拝

2017年6月13日(火)

週刊yasushi 第722号「図書館の本の流通現場にて (上)」

 

僕は「街の本屋さんを守る議員連盟」に参加をしている。その名の通り街の本屋さんを守りたいと思っているからだ。

その議論の中で、「図書館が買う本が増え、その分、街の本屋さんで買う人が減っている、特にベストセラーについては図書館が同じ本を何冊も買っている。そういうことをやめてほしい」「図書館が本を買う時には地元の本屋さんから買ってほしい」と言う意見があるらしいということがわかってきた。

 

果たしてそうなのか。

日本の図書館の90%以上に本を納品している図書館流通センター(TRC)にお伺いしてお話を聞いてみた。

役員の方はこう言われる。

「確かに日本の公共図書館の数は増えつつあります。しかしながら1館あたりの本の購入予算は10年前に比べると半分ぐらいになっています。

平均すれば年間500万円位では無いでしょうか。年間約50週だと考えると1週間に10万円。これは雑誌を含めてと言うことになりますから書籍に限っていえば、一冊2000円の本が30冊から40冊くらいしか買えないということになります。

日本全体の本の売り上げは2016年で約1兆4000億円。これは1番本が売れていた1996年の2兆7000億円の約半分です。公共図書館の本の購入金額は1996年で360億円。これが2016年には280億円と減っています。約4分の3になったと言うことです。誠に残念なことではありますが、図書館がたくさん本を買っているから街の本屋さんが売れなくなっていると言うことではないと思います。

また、副本(同じ本を何冊も購入すること)については私たちも望んでいません。できるだけ図書館は一般の方々が手に入れにくい本を揃えたほうがいいと思っているからです。ただ、図書館側にもいろんな事情があって、できるだけ貸出冊数を増やしたいと思っている館もあります。例えば年間貸出冊数目標を定めているところなど。そうするとどうしても借りてもらえる本を入れたくなる、という点は否めません。個々の館の方針についてとやかく言う必要はないと思いますが。」

なるほど。そういうことかと思う。

 

では図書館に入る流通はどうなっているのか。現場を見せてもらった。

行って驚いた。

流通も一般の本や雑誌のそれとは随分違っていた。長くなるので続きは次週。

 

 

 

ふるかわ 拝

 

2017年6月5日(月)

週刊yasushi 第721号「加計学園『問題』は本当に『問題』だろうか。(今回は長いです)」

 

 

森友がしばらく落ち着いたと思ったら今度は加計学園。僕は若い頃、岡山県庁に2年ちょっとお世話になったことがあり、加計学園のいわば本拠地だったわけで、その頃から理事長ご自身は存じ上げないが学園としての存在はよく知っていた。

 

若い人の学ぶ場を県内に作りたいと言うのは多くの道県に共通の気持ち。

加計学園は大都会ではない所にもきちんと学生が呼び込めるような大学を作れる学校法人として、県政の支援をうまく引き出し、学校経営をしつつ若い人たちの定住につなげる、といういい関係を作っていた。

 

今回問題とされているのは、それまで長い間にわたって獣医学部の新設は認めないとされていたものを国家戦略特区として認めさせ、しかもそれを加計学園がやろうとしていた愛媛県今治市で特区を取って獣医学部の新設にこぎつけた、そしてその際に総理大臣から何らかの指示があったかどうか、と言うことが問題になっているように思える。

 

しかしながら、国家戦略特区と言うのはそもそも普通ならできないことができるようにすると言う制度だ。

他の地域でもできるのであれば戦略特区の意味はない。

いろんな事情で全国的な制度としては担当府省がやりたがらないことをまず試しにある場所でやってみる、

と言うことがこの特区制度の意味。だから国家戦略特区についての責任者は安倍晋三内閣総理大臣になっている。それぞれ所管の大臣にしておいたのでは物事が進まないからだ。

だから国家戦略特区について、責任者である内閣総理大臣がどのように考えるか、ということはとても大きい、と僕は思う。

 

ちょっと前まで保育士試験は年に1度しか行われてなかった。年に2度とか3度やってくれるとそのたびに保育士の資格を得る人が出てくる。待機児童の問題の解消にも役に立つのではないかと佐賀県知事時代に厚生労働省に提案したことが何度もあった。しかしながら厚生労働省からはダメと言われ続けた。

結局、NPO法人フローレンスの駒崎弘樹さんなどが努力され、神奈川県を始めとする国家戦略特区の地域だけと言うことでスタートした。

駒崎さんによれば、厚生労働省が年に1度しか保育士試験をしない理由は「試験会場を借りるのに大学が夏休みの期間中だと安く借りられるから」と言う事だったらしい。

 

今では保育士試験は全国的に年に2回になった。何の不自由もないと思う。

これが国家戦略特区ということの意味だ。誰かが強く規制緩和などを主張し、たとえ担当の役所が強く反対しても、それが国家戦略特区の会議で認められれば国家戦略特区という一部の地域に限って始められる、という仕組みなのだ。

今まで報道されたところだけを見ていれば、今回の件は国家戦略特区のあり方としてそんなに違和感はないような気がしている。

もちろん友達だからやる、知らない人だから断ると言うような行政のあり方はおかしい。

しかし、一般的にはメディアと言うのは役所側の主張に対して批判的な論調を持つことが多いが、今回の件についてだけは「文部科学省の主張が正しく、それが内閣府によって曲げられた」と言う流れで報道されているように思う。

 

 

 

ふるかわ 拝

衆議院議員

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