週 刊 y a s u s h i

2 0 1 8 年 1 2 月

 

2018年12月24日(月)

週刊yasushi 798号「外国人材活用の時代へ」

 

 

 

私は衆議院農林水産委員会と並んで法務委員会にも所属をしている。最近の法務委員会は、組織犯罪処罰法の制定や成人年齢の18歳への引下げ、相続における配偶者居住権制度の創設など、数十年ぶりあるいは百数十年ぶりとも言えるような大きな改正を行ってきている。その法務委員会において昨年秋の臨時国会の大きなテーマになったのがこれからの日本において外国人材をどのように活用していくのかと言うことを内容とした入管法の改正だった。

この内容については、自民党の法務部会においても、骨太の方針が定められた6月以降、議論が積み重ねられて、特に8月から9月にかけては自民党の中でも大議論となった。業種を問わず今の日本では人手不足が問題となっており、その解決の1つの手段として外国人を人手の足りない業種に限定して働いてもらう事は必要であることについては、自民党内でも賛成が多いものだった。

ただその場合であっても、

1 あくまでも日本人の雇用を増やすことを目指すのが本筋であり、高齢者、障害者、女性等が働きやすい環境の醸成に努めるとともに、ICTの活用など生産性の向上を目指すことによって同じ仕事であっても少ない労働力でこなすことができることを目指すべきであること。

2 今回日本で働いていただくのはあくまでも一定の技術を持った人に限られるものであり、いわゆる単純労務については、それに門戸を開くものではないこと。

 

等が意見として集約された。

 

また、自民党内で反対の多かった事実上永住をすることにつながる特定技能2号についても、あくまでも業種を限定し、いわゆる移民政策を取ることとは一線を画すこと、も求められた。

合わせて、「労働力」が入国してくるわけではなく「人間」が入国し在留しその地域の住民として暮らす事になることをしっかりと肝に銘じ、政府として万全の対策を講じていくことが必要であることも指摘された。

 

自民党、公明党と法務省との間で激しい議論が交わされたのちに政府案が決定され、国会に提出された。委員会で議論になったことの多くはすでに自民党の中で議論されていたことだが、自民党内での議論の様子が表に出ることがほとんどないだけに、国民の側からするとあたかも事前の議論をせずに突如、法案が提出されたかのような印象をもたれる方もいらっしゃったかも知れず、いつものことながらそこが誠に残念に思うところだ。

法務委員会では、野党からは数値的なところがまだ決まっていないことや、技能実習制度における問題点などについて指摘がなされたが、数値については法案の成立を待って速やかに関係府省に作業をしていただき、年内に公表することができたし、技能実習制度については常に改善していく必要があるが、多くの技能実習制度で働く人たちが、日本の最低賃金以下で働かされているというのは違っており、現在の制度の中で失踪している人の割合は約2%。裏を返せば98%の技能実習生の人たちは、本来いるべき場所で働いておられるということで、このことを1つをとってたから大丈夫と言うわけではないが、少なくとも疾走するのは常態化している状況ではないこと、さらに平成28年の法律改正によってさらに技能実習生の保護が強化されていることはぜひとも知っていただきたいと思う。

今回の法改正によって人手不足が深刻な業種においては、詳細な制度設計の上、外国人材を活用していくことになる。例えば農業については、これまで技能実習制度では「農業」の定義が厳しく、例えばみかん農家で働く外国人技能実習生は、JAのみかん選果場で働くことができない、とされてきた。農業の定義が厳しかったのです。これから新法に基づいて特定技能1号で入って来られる方は、みかん選果場であれ、イチゴのパッケージセンターであれ、働くことが可能になる。

これまで1年間を通じて働いていただくことが難しかったところが改善されるようになり、農業分野の人手不足の解消に役にたつことができるのではないかと期待している。

このほか、製造業、建設業、流通業、小売業、福祉系サービス業などそれぞれ業界でルールを決めて活用ができていくようになる。

まずは本筋である女性や高齢者、障害者、さらには刑期を終えた出所者等働く意欲のある人たちもぜひとも活用していただきたいと思うし、ICTの利用などにより経営の効率を上げていくことも目指していただきたいと思うが、外国人材の活用についてもご検討いただければと思う。

なお、事実上永住の認められる特定技能2号について、自民党の中でも「これは移民政策だ」として撤廃を求める意見がずいぶん出た。私もまずは1号だけでスタートさせれば良いのではないかと思った。しかしながら、構造的に労働者だけでは人手不足が解消できない業界からは、訓練や経験によって身に付けた技術のある外国人労働者を長期間にわたって雇用し続ける必要があるとの強い意見が出され、あくまでも業界を限ると言う条件付きでこの制度がスタートするものだ。建設業、造船・舶用業、の2つに限られることになる。そこはご理解をいただければと思う。

 

 

 

ふるかわ 拝

 

2018年12月17日(月)

週刊yasushi 797号「車体課税とふるさと納税」

 

 

 

今年の自民党税制調査会での議論が終わった。

私が特に関心を持っている地方税の世界では、ゴルフ利用税を堅持できたことや難航が予想された車体に対する課税についても結果的に地方から見れば減税分を補填できたという意味で、悪くない結果に落ち着いたのではないだろうか。車体課税というのは、車に対する課税のことで、来年消費税が上がると車の購入の際の消費税も高くなるので自動車業界が大幅な減税を求めていただけに、果たしてどういう結末になるか不安だった。しかも要求されているのが恒久減税。来年や再来年だけ負けてください、ではなく、これからずっと減税し続けてください、ということだから、逆に、補填財源を考える時にも恒久的な財源を確保しなければならないので大変だ。

結果的にはグリーン化特例やエコカー減税の見直しで恒久減税分をある程度確保し、足りない分は重量税の一部を譲与税化するとともに新たにガソリン税(揮発油税)の一部を譲与税化して地方財源に回すという離れ業が演じられた。

財務省も驚いただろう。地方税の減収分は当然地方税の世界で整理してほしいと考えていたものが突然国税収入を掠め取られた、と思っているのではないか。

とにもかくにもそういう整理となった。地方財政への影響を気にしていた私から見ればよかった。関係者の努力と税調幹部のご判断に感謝と敬意を表したい。

 

一方で、今回、「よかった」では済まないこともある。

それがふるさと納税の見直し。

平成27年4月以降、再三にわたってふるさと納税の返礼品の適正化について通知を発してきた総務省だが、取り扱いを変えない一部の団体が存在し、そこへのふるさと納税が集中してきていることを憂慮し、遂に、取り扱いを適正化しない団体については、ふるさと納税の制度の対象から外す、と宣言したのだ。その制度見直しがこの税制調査会で議論され、先日決定された。返礼品について、これまで総務省が示してきた

 

1 返礼品割合が3割以下

2 換金性の高いもの、価格の高いもの、資産性の高いものは不可

3 地場産品に限る

 

のルールが承認されたのだった。

 

そして、具体的には、

総務大臣が、外れる団体を指定するのか、(ブラックリスト方式)

ふるさと納税できる団体を指定するのか、(ホワイトリスト方式)

というのが議論になり、結果的にはホワイトリスト方式となった。

私もそれで良かったと思う。というのも、仮にブラックリスト方式とすると、その団体が、総務省基準から外れていることをいわば証明しなければならなくなる。

特に地場産品の定義は曖昧で、これを根拠に指定から外すのは実務上難しいだろうと思っていた。

おそらく、これから総務省当局は地場産品の定義と運用の疑義照会に追われるのではないかと思うが、要は「常識的な線」で判断していくしかないように思う。

例えば、その町特産のみかんで作ったみかんジュース。でも集荷施設には隣町のみかんが混じることもある、というのはどうなるのだろうか。一滴でも混じったら特産品ではない、とはならないのではないか。

水産物も難しい。 おそらく、主たる原材料がその地方団体の区域で収穫されること、や、他の地域で収穫されたものであっても当該地域で加工されたもの、と言った基準が地場産品として運用されるのではないか。ただ、加工すれば良い、ということでは足りないとも現時点では指摘されていて、難しいところだ。

「区域内で生産されたものや提供されるサービス」というのが特産品(地場産品)の考え方だったわけだが、これから具体的にどう運用していくのか。これからは大臣指定から外れる可能性も出てくるだけに注目される。

県内のある小規模な町の商工会の人からはこういう要望が出た。

「うちの町はそんなに農産品もないので商工会の会員が扱っているもの(主に仕入れたもの)をふるさと納税の対象にしていたが今回これがダメになると聞いてがっかりしている。であるとするならば、どうやったら地場産品になるのか、工夫できるものについては工夫したい。なによりもこのふるさと納税制度がなくなるのが一番困る。なくならないように、一定の見直しも必要、というのならそれもまた仕方ない。」

 

頭が下がる思いだ。

こういう現場の人たちの思いに制度を運用する側もしっかり応えてほしい。

新しいふるさと納税制度は来年の6月にスタートする予定。6月までは何をしても良い、ということではないので念のため。

ここを心配している首長さんも多い。

 

 

 

ふるかわ  拝

 

2018年12月10日(月)

週刊yasushi 796号「これからのローカル放送は?」

 

 

 

12月7日 金曜日。自民党603号室の会議室前には沢山の報道陣が集まっていた。

私が所属している自民党情報通信戦略調査会の中に設けられた放送法の改正に関する小委員会から、放送法の改正に関する小委員会第二次提言が出された。その取材だった。

これからのローカル放送局のあり方やNHKのあり方についていくつもの提言がなされた。その内容は放送業界にかなり大きな波紋を呼んでいる。

なぜ今回、この提言が出されたのか。

インターネットが高速化、大容量化し、これによりネットで動画を配信するサービスが当たり前となり、来年にもテレビの広告料収入がインターネットに追い抜かれるという状況や多くの地域で人口が減少しているという状況などを考えれば、これからローカル局のビジネスモデルが崩壊しかねないと言う危機感が背景にある。

 

そのような時代の中にあっても何とか地方局を守りたい、そうするためには何をすべきか。

それが今回の提言の肝だった。

 

ローカル局が果たしている役割を引き続き維持するため、この小委員会から総務省及び業界に対していくつかの事項を提言している。

例えば、

「総務省は、ローカル局の積極的な再編を促進するため、放送対象地域の拡大=県域免許の見直しについて検討を行うこと」

 

これだけ見ても大胆な提案であることがわかる。あくまでも経営の選択肢を与える仕組みであるという前提には立つが、これまで数十年にわたって続いてきた、1県4局という仕組みを見直そうと言うのだ。佐賀県は徳島県と並んで民放が1局しかない県で例外とも言える地域だが、これからどのようになるのか検討の対象となっているということだ。

 

「総務省は、ローカル局が経営判断としてAMラジオ放送の見直しを行うことを視野に入れ、AMラジオが災害時に果たす機能の代替や国際的な周波数調整といった課題について検討を行うこと」というのもある。

これまで当たり前のように身近にあったAMラジオ放送。実はこの放送方式を維持するのは大変コストがかかっている。広いエリアで放送を聞くことができるこのAM放送だが、その分、費用がかかるのだ。FM放送のほうが安い。であればやめればよさそうなものだが、それでもたくさんの人が聞いておられる事実があるし、AMの周波数帯を日本のラジオ局が使わなくてなればその分、周波数帯が空いてしまう、ということもある。

なかなか悩ましい問題だということはわかった上で総務省に検討をお願いしている。

 

このほか、「総務省は、ローカル局やケーブルテレビ局による経営統合など地域メディアの再編を図る事業について、電波利用料を活用した支援制度の創設を検討すること」「総務省は、ローカル局のコンテンツ制作能力の向上を図るため、番組制作を増やすための制度・支援等について検討を行うこと」「総務省は、ローカルコンテンツの担い手として、ケーブルテレビの新たな位置づけについて検討すること」なども含まれている。

さらにはNHKの有りようについて、「2040年には日本の人口が20%減少し、相互の受信料収入も減少することを踏まえ、NHKは、適切な事業規模を見据え、ジーン配置の最適化を図ること」「NHKの常時同時配信については、早急にこれを可能とすべく直通常国会での放送法改正案の提出を目指すこととし、総務省においても所要の作業を開始すること」というものもある。

 

つまりは、NHKの常時同時配信について、できるだけ早く放送法の改正案を提出することとして、2020年オリンピックパラリンピックの時までにこのことが実現することを目指すと明確に述べたということだと私は思う。

 

これらのほかローカル局における県の出資の見直しであるとか、ケーブルテレビ局を基幹放送に加えることなどの検討も提案しているし、また、BPOが、期待されている役割を果たしているかどうかについて自ら検証することも求めている。

 

金融機関や新聞社など地域を基盤にして存立してきた様々な企業がこれからの時代にそのままではいられなくなろうとしている。テレビ局もその例外ではないということだ。

 

今回の第二次提言はあくまでも提言。それを受け止めた総務省がどのような対応をするのか、そしてもちろんのことながら主役はそれぞれのテレビ局であり、ケーブルテレビ局であるわけで、あくまでも自主的な取り組みの可能性を広げるための提言でなければならないだろう。

 

これから1つずつ丁寧に議論が続けられることになる。引き続き小委員会のメンバーとして地域からの声を届け続けたい。

 

 

 

ふるかわ 拝

 

 

 

2018年12月4日(火)

週刊yasushi 795号「発達障害の今とこれから」

 

 

 

先日、佐賀県看護協会及び看護連盟の研修会に講師として招かれ、発達障害について講演をさせていただいた。

こうしたことに関心を持っていただくのは大変ありがたく、また当日も熱心にお聞き届けをいただいた。

発達障害に限らずなのだが、医療機関にお世話になってる人は多くの場合、医師と話をしたり医師が直接何か手を下す時間よりも看護師が対応してくれる時間の方が長いことが多い。その意味では患者さんと接する時間の長い看護師の方々に発達障害についての理解を深めていただけるのは大変にありがたい。

「発達障害に理解のある看護師さんは、例えば自閉症の患者さんに注射をするのがうまい」。という話もある。

 

発達障害についての当日の質疑でも活発な議論が行われた。

例えば、「学校現場に発達障害のわかっている方が少ない、あるいはいない」こと。

「放課後等デイサービス事業所において、看護師を配置しようとしても配置基準の中に入っておらず、加算が取れないため、採用されることが難しい。」こと。

「発達障害としての認定を医師にお願いしようにも数ヶ月待ちという状態。」だということ。

 

こうした声にしっかりと答えていかなければならない。

 

学校に発達障害をわかっている教員が少ない、という指摘について申し上げれば、特別支援教育コーディネーターを各学校に配置してあり、ある程度の支援が実現できているのだが、個々人によってそのレベルに差があるのは否めない。

そもそも、教員免許を取るのに障害児への教育(特別支援教育)についての科目が必修ではないことが問題だと、私が座長を務めていた自民党PTとして出した報告書において、特別支援教育の科目の必修化を提言した。

そしてそれが実現して、いま教員を目指す人は特別支援教育について必ず学ぶことになっている。

 

このような福祉と教育の連携の実現についてしっかりと図っていきたいと思う。

 

 

 

 

ふるかわ 拝

 

衆議院議員

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