週 刊 y a s u s h i

2 0 1 9 年 6 月

 

2019年6月24日(月)

週刊yasushi 823号「ある鉄鋼関係の工場にて」

 

 

前々から気になっていた、地域の鉄鋼関係の会社へ。

土曜日であるものの、工場は稼働していて、多くの人たちが働いておられる。中には外国人の方もおられるようだ。この会社に来てみたかったのは、景気の波による変動はあるものの、近隣の県だけでなく東京や大阪からも発注のある優れた企業だと言う評判を前々から耳にしていたからだ。

お話をお伺いしていてその秘訣が少しわかるような気がした。

以下は社長と私のやりとりだ。

「仕事はそれなりに順調で、とは言うものの中国、アメリカの貿易摩擦やメキシコに進出している日本の自動車会社の状況などが直接に響いて来ます」

「これからもしっかり状況を注視しておかなければいけませんね」

「そうですね。中国やアメリカに見切りをつけてインドや東南アジアに活路を見出していく企業もありますが、コストカット競争に巻き込まれたくない、という気もありますし、私はまず日本国内をしっかり固めたい、その上で、発注元である自動車関連企業からのオーダーにいつでも答えられるような体制を整えておきたいですね」

 

気になる質問をしてみた。叱られるのを覚悟して。

 

「働き方改革についてどうですか?」

「ただでさえ人材不足の中で大変ですが、若い人たちに来てもらうために来年からは週休2日制に変えていこうと思います。そうしないとなかなか人が来ないですから」

「そのためには生産性の向上が必要ですね」

 

「そうなんです。だから新しく設備投資をしてレーザーカットの設備を入れたんです。」

「なるほど。効果は出ましたか?」

「この設備を使うことで生産性の向上につながりましたし、それと合わせて、重いものを直接人間が運ぶ必要がなくなりました。」

「それは仕事の負荷が軽くなりますね」

「これまで重いものを持つと言うことでこの分野の仕事は男性に限っていましたが、これからは女性でもこの仕事をしてもらえるよううになる、ということで女性を採用することができるようになりました。」

「それは良いですね」

「この街にはいいところがいっぱいあるし、いい企業もいっぱいある。その中で選んでもらえる企業になりたいと思っています。若い人は一度は外に出てもいいかもしれない。でもゆくゆくは帰ってきてほしい。その受け皿になれる会社を目指していきたいです。」

 

社長が工場の敷地を指差された。

「ここにこれだけのスペースがあります。これは地方だから可能なのです。東京の工場ではとてもこれだけのスペースを確保することができません。比較的大きめの製品を頼まれた時、この場所で仮組み立てをして依頼者にお見せします。それでご納得頂いた上で納品をすることになります。このようなことができるのは地方ならでは、なのです。」

 

ご自慢のレーザーカットの設備を見せていただいた。

「もの補」というシールが貼ってあった。経済産業省所管の、「ものづくり補助金」と言う中小企業の前向きな投資に対する支援の事業を使っていただいたようだ。まさにその趣旨に合ったものになっていると嬉しくなった。

工場の中には外国人の方も多く見られた。

「インドネシアの人が多いんです。技能実習生です。おかげさまで逃げ出したりするような人は今までのところ1人もいません。この地域には他にもインドネシアの人の働く事業所がいろいろあるので、あまり変なことをするわけにはいきません。ほかの社長さんと話をしながらバランスを取ってやっています。ただ新しく特定技能1号の制度がスタートしたのでこれからはそちらに切り替えていきます。本格的な戦力になっていただきたいので、1号だけで終わらず、この分野の人たちがもう少し長く日本で働き暮らすことができるようにしていただければありがたいですね。」

 

この春スタートしたばかりの特定技能制度。まだまだスタートしたばかりで改善すべき点が多いところではあるが、このような期待も示されているところだ。しっかりと現状を把握して、次の改正の機会にさらに改善につなげられるようにしていきたい。

 

 

 

ふるかわ  拝

 

 

2019年6月19日(火)

週刊yasushi 822号「大草秀幸さんを偲んで」

 

 

大草秀幸さんが他界された。もともとは佐賀新聞社勤務だった。東京支社に勤務しておられた頃、私は当時自治省の役人だったが知り合い、しばしば痛飲していた。

知り合った当時、私が上杉光弘自治大臣の秘書官をしていて、政治に近かったこともあったからか、選挙に出てみてはどうか、という話をが出ることも時々あった。

そのころ、私は自分が選挙に出るなんてことは考えていなかったが、ある時、国政選挙か県政選挙か忘れたが、本当に出てみてはどうか、という話を大草さんがされたことがあった。その気がなかった私は「大草さん、私はシセイに生きたいんです。」と申し上げた。

「そうか、シセイか」としみじみ頷かれた。

翌日、また電話があった。

「シセイの、って言ったよね。話ばしてみてもよかばい。」

 

「は?」

 

「シセイやろ、市政やろ、市長選挙やろもん。」

 

「いや、私のシセイは、市井の、という意味でして。」

 

「は?」と大笑い。

 

新聞記者たるもの、前後の雰囲気から、「市政」なのか「市井」なのかわかるのでは?と思ったが、そこはわざと外されたのかもしれない。

 

そして私が選挙に出るより早く、大草さんは相知町長選挙に出られ、相知町長となられた。

 

私がシセイではなくケンセイに挑戦するかどうかということになった時は、真っ先に声をかけていただいた。私がためらっていたら毎日電話が来た。

そして、出馬すると決めた瞬間から懸命に応援してくれた。何事も懸命な人だった。

そのおかげで私は当選できた。

大草さんの相知町長としての実績は枚挙にいとまがないが、私が知事に就任した翌年の平成16(2004)年に、全国棚田サミットを相知町で開催された。蕨野の棚田米をアピールするのが一つの狙いだった。当時から棚田に関心のあった私は出席し、蕨野の棚田の素晴らしさに目を見張った。

 

月日は流れ、その15年後の令和元(2019)年。

その蕨野の棚田を見たことが遠いきっかけだったとも言える、私が長い間取り組んできた棚田地域振興法が全会一致で成立を見た。

6月12日のことだ。

私はその夜は久しぶりに痛飲した。お世話になった人たちに御礼とご報告を申し上げなければ、と思いつつ飲んだ。

 

そして、その夜、大草さんは他界された。

私は御礼を申し上げることもできなかった。

 

これからは元々唐津・東松浦郡の学生のために首都圏に作られた学生寮『久敬社』の塾監を夫婦で務められることになっていたと聞く。

若い人たちと大草さんが大いに交流される姿を見てみたかった。

 

ご冥福を心からお祈りしたい。

 

 

 

ふるかわ 拝

 

 

2019年6月11日(火)

週刊yasushi 821号「6月16日は父の日」

 

 

この日にプレゼントを渡そうという嬉しい家族もいてくれるようで、ある生命保険会社が発表した数字によれば、約6割の人が贈りたいと思っているとのこと。ただ、母の日と比べると8ポイント低く、これは毎年の傾向とのことでなんかわかるような気がする。

何を贈ろうと思っているか、という問いに対しては品目別では「食事・グルメ」という答えが首位。「酒類」が2位、「衣類」が3位だった。

これに対して、欲しいものとして父親側からの答えとしては、やはり「食事・グルメ」という答えが首位。「酒類」が2位、とここまでは贈る側と同じ。

第3位は「手紙・メール・絵」。気持ちだけでいいから、という涙ぐましいものがある。

 

この父の日のプレゼント。けっこう地域差があるらしい。この調査によれば父の日にプレゼントを贈る割合が最も高かったのは秋田県の87.0%。そして2位は佐賀県の86.4%!そうかそんなに多いのか。

1位とそんなに変わらないからほぼ日本一といってもいいくらいではないか。

3位は沖縄県で85.7%。上位11県のうち九州・沖縄が6県、東北が3県、四国が2県を占めた、というから地方ほど父親を大切にしてくれているということなのだろうか?

一方、父の日に何も贈らないと言う人が贈らない理由として最も多かったのは「何を贈ったらいいかわからないから」。

確かに母の日と言えばカーネーションというイメージがあるが父の日はそれに対応するような具体的なアイテムが浮かばないことは事実。これに応えていこうと、佐賀県内のバラの生産者たちは、父の日に黄色いバラを贈ろうという運動に取り組んでおられる。

今年の父の日は6月16日。この日は和菓子の日であり、モンブランの日でもある。

そっちでもいいけどな。

 

 

 

ふるかわ 拝

2019年6月5日(水)

週刊yasushi 820号「起立総員!」

 

 

6月5日水曜日午前11時30分過ぎ。衆議院農林水産委員会で1本の法案が採決された。棚田地域振興法案。私は委員席で賛成のために起立した。「起立総員」という委員長の声が響き渡る。すなわち全員が賛成したと言うことだ。

足かけ3年にわたって棚田地域の振興のために新しい立法を、と動いてきただけに、この委員会での全会一致による可決は本当に嬉しかった。

この日の棚田地域振興法案は議員立法。これまでの経緯もあって、私が議案提案者の代表。議案起草の動議を提出するのも一番先頭に名前を書く。そして、提案理由説明するのも私。さらにはその提案理由説明に対して共産党の議員から質疑的発言が行われ、それに対して答弁をするのも私だった。

知事時代には何百回と答弁に立っていたが、日頃大臣が座っておられる席から発言や答弁をするというのは初めてで、さすがに緊張したし、大臣席からの景色というのはこのように映るのか、と感じた。

棚田地域の振興という考え方はこれまでもあったものの、根拠となる法律はなく、棚田地域に着目した支援策を強化しようとすると、そこがネックだった。例えば「中山間地域」や「過疎地域」は法律があり、振興策がセットされている。地域振興はやはりこのように根拠となる地域立法を持ってないと強力に進めることが難しい。

3年前に超党派の棚田議員連盟の事務局長に就任し、これから振興策の深堀をやっていこうという時に気づいたことがそれだった。ちょうどその頃、自民党内で棚田について議員立法の必要性を感じて勉強会をスタートした議員の方々がおられ、一緒になって進めていくことになった。

党内でかなり論議を進めて法律案を作り、それを超党派の棚田議員連盟に諮ってご意見をいただく。

自民党の中でも自民党の外でも様々な意見が出て、どのように進めていいのか分からなくなることも何度もあった。

そのたびごとに先輩の議員の方々をはじめとする様々な方々に助けていただき、何とかこの法律案をここまで持ってくることができた。議員立法は全会派賛成でなければ取り上げていただけない、というのが慣例。ところがそれぞれの会派にはそれぞれの事情があってそう簡単にはことは進まない。

「議員立法の作り方」という本があるわけでなく、ネット上にもそのことが示されているわけではない。いろんな人と相談しながらその中で自分自身が知識や経験として身に着けていくしかないものだとつくづく感じる。

ある意味、「忠臣蔵」なのだと思った。国会にまつわる事柄のルールは文字になっていないものが多い。だから、いろんな方に教えていただかないといけない。教えていただいた方にはお礼を申し上げなければならないし、逆に経験を積んでいくことによって自分が教える側に回ることも出てくるだろう。こうした中で気持ちよく教えていただいたり、あるいは教えるような関係を作り上げる事も国会議員としての大切な仕事なのだということも感じた。

 

これまでも障害者文化芸術活動推進法案など自分が関わった議員立法はいくつかあった。でも、ここまでの役割を果たさせていただいたのは今回が初めて。

 

本当に皆様方に心から感謝申し上げたいし、この法案を待っておられる方々の為にも来週の法案の最終的な成立まで気を緩めずにいたい。

 

 

 

ふるかわ 拝

 

衆議院議員

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